カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

襷は次の段階へ

2014-01-04 | 感涙記

 箱根が終わった。終わってみるとおおかた戦前の予想通りのようにも見えるが、東洋の圧倒的な強さが目立ったということも出来る。実際ここまで強いとは予想できた人は少ないだろう。駒沢は4枚看板の3枚を最初に使って逃げ切りを図ったが、思うようには伸びなかった。それが最後までということは確かに言える。言えるがそれでもやはり底力があってかなり高いレベルの記録での2位。普通なら完全優勝なのに東洋が強すぎたのだ。
 レベルが高いというのは確かに言えて、昨年優勝した日本体育大学の優勝タイムは11時間13分26秒だったわけで、今年9位の拓殖大学でも11時間13分06秒であることからもそれは見て取れる。考えようによっては多くの大学がこのレベルまで持ってくることが可能になっているということで、東洋・駒澤という双頭の龍(プラスα)がいるとはいえ、完全に次の段階にきているという感覚は各大学の関係者は感じていることだろう。現実的に考えて、留学生の大砲を持たずにトップがいるのだから、まだ伸びしろがあるのは確実だ。
 しかしながら山の神様というような存在がいなくても、どの大学もかなり山に対しての強さが見られたこともあるように感じる。一昔前なら皆素晴らしい記録が並んでいるが、飛びぬけているように見えないからだ。柏原というのは歴史的に凄過ぎる訳で、そう簡単には次は現れないかもしれない。そうすると、今のレベルまで近づけば(それも簡単ではないが)、面白い組み立てが十分できるということだ。山のみ制すれば済む問題ではもちろんないが、そのウェイトにおいては、少し対応可能な手ごたえを感じているところも多いのではなかろうか。
 それにしても一昔前のことを考えると、その水準は格段にあがっている。そういう練習の方法が確立されてきたこともあるだろうし、逸材がこのような注目されるレースに出られるようになったことも大きいのだろう。そのままマラソンに必ずしもつながっていない懸念は残っているが、これだけの関心が高まったことが、本当に底上げにつながっていることは間違いなさそうである。お正月にローカルだけどこのようなビッグレースがあるというのは、若い長距離ランナーにとっては、オリンピックなどの様に超一流しか駄目な世界を目指すより、より現実的で素晴らしい体験なのかもしれない。
コメント
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