カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

眼下の敵

2011-11-13 | 映画
眼下の敵/ディック・パウエル監督

 かわぐちかいじは絶対この映画を観たんだろうな、と思った。
 よく考えてみると変な話だし、ちょっと結末近くは卑怯な感じもぬぐえないんだけど、まあ、女っ気まったくなしの男の世界として面白く観ることができた。物量の圧倒的な差があるので、もともとかなり不公平な戦いなんだろうけど、駆逐艦と潜水艦の緊迫した戦いを描いた名作だろう。人間ドラマやエピソードもなかなか面白い。実際に敵同士がこのような友情をもつものなのかは正直に言って僕にはよく分からないのだが、映画としてはアリということなんだと思う。鬼畜米英だとかイエローモンキーじゃないと人間を殺しにくいという感情があるとは思うんだが、好敵手としての尊敬というのは、軍人の世界にはあるものなのかもしれない。本当はお互いに人間だというは職業軍人の多くは知っていたはずで、そうであるならやはりその道の凄さというものに対して敬意を抱いてもおかしくないのかもしれない。
 最近のCG満載の特撮と比べると、細部はだいぶチャチなものがあるのは確かだけど、しかし船から落とす爆弾の爆発は恐らく本物のようで、かえってその迫力が際立っていた。撮影のために本物を爆発させることができるアメリカという国は、単純な役人国家では無いのだろうな、などと勘繰ったりした。日本だとかなり難しいだろうね。
 それにしても個人的には、潜水艦の中でじっとしているのはかなりつらいだろうなと同情した。それも集団でなんて。また、水圧の恐怖も描かれていて、後の潜水艦映画の定番的な演出も冴えていた。見つからない為に音を立ててはなら無いという緊迫感もよかった。結局辛抱しっぱなしは一方的に潜水艦の方で、観ているものはいつの間にか敵であるドイツにも肩入れしたくなる構成になっているのではなかったか。だからと言ってドイツが勝つ話ではそれこそ話にならない。まあ、そういう訳で結局見事な解決策だったのかな、とも思ったのだった。
コメント
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