背の高い紫陽花

2009-06-21 | 【樹木】ETC
 六月、アジサイ(紫陽花)の季節。
 アジサイはユキノシタ科アジサイ属の樹木である。
 ノリウツギ(糊空木)は、アジサイ属の樹木の中で一番背が高い。
 2~4メートルある。10メートルという例もあるようだ。
 装飾花をもつ円錐形の花序を枝先につける。
 その花は、アジサイと思って見ると、そう見える。
 しかし、あの円錐形は、アジサイの一般的な形姿と異なり、別の花と言われると、そうかと思わせられる紛らわしさがある。

花菖蒲の大きな花びら

2009-06-20 | 【草花】ETC
 午後、そこに初夏の光があった。
 青梅市「吹上花しょうぶまつり」に寄った。
 パンフレットに次のようにある。
 「園内では、江戸系・肥後系・伊勢系・野生種・長井系・米国種・雑種、216品種約10万本のハナショウブが毎年6月上旬~下旬にかけ咲き誇ります」
 なかなか見事でした。
 印象的なのは、ハナショウブ(花菖蒲)の花びらの大きいことである。同じアヤメ科のアヤメやカキツバタより大きい。そして、それが、萎れたりして、クシャクシャになっていたりしていた。
美しい姿を常にたもつのは難しい。

墓の隣には柿の青い実

2009-06-20 | 【樹木】ETC
 「柿の木は竈の煙のあたるところを好む」
 柿の木は、そんな言われ方をするくらい人の暮らしの近くにある。
 窓の外の柿の木に青い実があった。
 光のある方へ伸ばした枝に幾つもついていた。
 柿の木の青い実を見ると思い出すことがある。
 金沢の寺の庭の奥に墓が二基並んで立っていた。
 一基には、祖父や伯父が入っていた。
 もう一基は、祖母の父母だったろうか。
 その家は、そこで途絶えた。
 その傍らに、柿の木が生えていた。
 僕は、青い実を見ながら、坊主の読経を聞いていた。

喜びとせよ

2009-06-19 | 【樹木】ETC
 梅雨、空はグレー、夜が明ける。
 木々たちは、葉を空にひろげている。
 ベランダの無花果も大きな葉をひろげている。
 葉腋に実ができていた。
 いつのまにか。
 今年もまだ、実はつかないかと思っていたが。
 喜びとせよ。

西行ゆかりの柳

2009-06-18 | 【断想】ETC
 新古今和歌集の夏歌から。
 道の辺に清水流るる柳蔭しばしとてこそ立ちとまりつれ(西行)
 西行がこの歌を詠んだことのことにより、のちに観世信光の作である謡曲「遊行柳」が生まれている。この歌の柳は、蘆野(いまの那須)の地の柳とされ、芭蕉は、「奥の細道」の旅で、この西行ゆかりの柳を眺めている。

赤々と蝶形の花を

2009-06-16 | 【樹木】ETC
 木の名前をひとつ覚えた。
 昼休み、事務所から外へでたときに見た街の並木。
 緑の葉を繁らした枝先に、赤々と蝶形の花をつけている木が目にとまった。
 その総状の花序ははでやかである。
 図鑑で確認した。アメリカデイコだ。
 これまで、気にとめることもなかった木。
 見かけることも少なかったのだろう。
 鹿児島の県木にもなっている南国の木だ。
 マメ科、江戸時代の渡来とのこと。
 あの深紅色の花を見なかったら、何の木と思わなかっただろう。
 この季節に、そこを通らなかったら、その花はなかっただろう。

竹林の救い

2009-06-14 | 【樹木】ETC
 新古今和歌集、夏歌から。
 窓近き竹の葉すさぶ風の音にいとどみじかきうたた寝の夢(式子内親王)
 うたたねにみる夢。
 そこに、世俗の理から解き放たれたもの、ありやなしや。
 竹の葉のすさぶ音はいい。

 長年の知人と話していて、竹林のことが出てきた。
 近所の竹林が掘り返され、伐られてしまったと残念そうだった。
 次のように語った。
 わたしは小さい頃、渡良瀬川のほとりに住んでいた。
 台風の雨で、川が増水、氾濫し、流された。
 わたしと兄弟を救ったのは、近くの竹林だった。
 水に流され、竹につかまって命拾いをしたと。

 先般、まがり竹を焼いたのを、皮をむしって食べた。
 季節の恵みだ。
 よかった。

枇杷の種つややかなれど

2009-06-14 | 【樹木】ETC
 蕪村の句に、枇杷(ビワ)の花が出てくるものがある。
 枇杷の花鳥もすさめず日くれたり(蕪村)
 「すさむ」と古語辞典でひくと、進む、遊む、荒むの表記が示してある。
 この句では、遊むであろう。意味としては愛でるというところか。
 枇杷の花が咲くのは、十一月から十二月。
 寂しい季節なのだ。
 そして、いまは六月。
 黄色い実をつけている。
 遠い日のこと。
 梅雨、雨降りの縁側で、枇杷の実を食べた。
 食べた後に残るつややかで大きな種。
 その種を庭に植えたが、木となるのを見ることはなかった。
 悲しかった。
 梅雨空に、枇杷の種、つややかなれど、ただうち沈みたり。

鰭の先に棘

2009-06-13 | 【草花】ETC
 コンクリートのはざまからヒレアザミ。
 茎にはえたヒレの先にトゲを見つけて確認。
 茎は太く堂々とした雑草である。
 アザミ(薊)の仲間には、日本のアザミの代表格であるノアザミ、トゲのないキツネアザミ、背が低く浜にはえるハマアザミなどがある。

「毒痛み」の白い花

2009-06-13 | 【草花】ETC
 梅雨どき、どちらかというと湿った日陰に群落をつくる。
 近づくといやな臭いがする。
 そこらに蛇がひそんでいるのでないかと思ってしまう。
 ドクダミである。
 その名は、「毒溜め」「毒痛み」からきていると言われる。
 毒素を含んでいそうだから。
 また、十薬(じゅうやく)の別名がある。
 毒消し、解毒、動脈硬化予防など、薬効が多い。
 小さい頃、蜂に刺されて腫れたところに小便をかけた。
 そして、そこにドクダミの葉をペタリと貼ったりした。
 ドクダミの白い花びらと見えるのは総苞片。
 花は、その中央にニョッキリ突き立っている黄色の穂状のもの。
 それは、花といっても、花びらはない。
 雄蕊、雌蕊である。
 今の季節、ほんとによくあちこちに群れている。