畠山重篤氏の「牡蠣礼讃」(文春新書)の第1章のタイトル。
「Rのつかない月の牡蠣を食べよう!?」
いま6月。Juneである。
今年になって、初めてだった。
友人と入った居酒屋で、Rのつかない月の牡蠣を食べた。
岩牡蠣だ。
とてもボリュームのある立派な牡蠣だった。
食べたのは一個。
でも、通常の真牡蠣の十個分はあったか。
どうかな。
ともかく、ふっくらたっぷり、満足した。
店の品書きに、牡蠣があるとはなかった。
ところが、岩牡蠣が奥の客に運ばれるのを見た。
見逃すわけにはいかない。
「岩牡蠣があるの」
「前もって注文のあったお客さんの分だけです」
「余ってないか聞いてくれない」
店のおばさんが、調理場に聞いてくれた。
「二個あります」
「それください」
値段は、一個千円だった。
都心のこのあたり、場によっては、その値では口にできない。
殻を開いてみないと、身の状態には分からないところがあるという。
「これ、今日開いた牡蠣で一番大きいものでした」
そう説明された、ともかく大きいのをありがたくいただいた。
もう一個を、同席した海のない県の出身者にあげた。
本当はそれも食べたかったが、独り占めもなんだなと思って。
店が仕入れたときの、加工・販売者の紙をもらった。
名称 から付磯かき(岩かき)
採補海域 千葉県銚子市黒生沖
思いがけなく、嬉しいことだった。
さあもっと、Rのつかない月の牡蠣を!