セシル・テイラーは、“ホンモノ”だ。
セシル・テイラーと演っていることで、アーチー・シェップも生きている。
セシル・テイラーの「セシル・テイラーの世界」(1960 CANDID)の一曲目「エアー」を聞いて、そう感じた。
久しぶりに、アーチー・シェップのサキソフォーンの音を聞いて、フリー・ジャズのスターのひとりであるセシル・テイラーは、どんなだったかな、特に好きになることはなかったが、今の俺はどう感じるかなと思った。
初めから終わりまで、疾走している。
アルバート・アイラーのような魂の声というのでなく、エリック・ドルフィーのように、音楽に没頭する超越性のようなものが感じられた。
その音楽の中で、アーチー・シェップは、それなりの役割を果たしているようだ。
音楽のスタンスをつくっているのは、セシル・テイラーで、その中で。
「セシル・テイラーの世界」は、初期の作品だ。
「ジャズ・アドバンス」があって、「ルッキング・アヘッド」があって、その後に、「セシル・テイラーの世界」がある。
昔買ったLPの中に「ジャズ・アドバンス」がある。それも、聞き直してみよう。
実は、「ルッキング・アヘッド」を買おうと思って、ディスク・ユニオンに由ったが、見当たらなく、かわりに手にしたのが、「セシル・テイラーの世界」。
「エアー」を聞いて、さすがと感じた。
フリー・ジャズ云々でなく、音楽としての迫力を感じた。
「ジャズ・アドバンス」の中のセシル・テイラー作の曲「ソング」を聞く。
ここでは、スティーヴ・レイシーがソプラノ・サックスが加わっている。
いずれにしろ、セシル・テイラーの存在感は、半端ではない。
さて、「セシル・テイラーの世界」の2曲目以降を聞こう。
2.ジス・ニアリー・ウォズ・マイン
3.ポート・オブ・コール
4.E.B
5.レイジー・アフタヌーン
セシル・テイラーは凄いけど、聞き続けるのはしんどい。
疲れる。
現代音楽であって、愉悦が味わえない。
結局、そうい言うことで、敬して遠ざけると言う結末に。
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