疾走するセシル・テイラー

2023-12-23 | 【断想】音楽

 セシル・テイラーは、“ホンモノ”だ。
 セシル・テイラーと演っていることで、アーチー・シェップも生きている。
 セシル・テイラーの「セシル・テイラーの世界」(1960 CANDID)の一曲目「エアー」を聞いて、そう感じた。
 久しぶりに、アーチー・シェップのサキソフォーンの音を聞いて、フリー・ジャズのスターのひとりであるセシル・テイラーは、どんなだったかな、特に好きになることはなかったが、今の俺はどう感じるかなと思った。
 初めから終わりまで、疾走している。
 アルバート・アイラーのような魂の声というのでなく、エリック・ドルフィーのように、音楽に没頭する超越性のようなものが感じられた。
 その音楽の中で、アーチー・シェップは、それなりの役割を果たしているようだ。
 音楽のスタンスをつくっているのは、セシル・テイラーで、その中で。
 「セシル・テイラーの世界」は、初期の作品だ。
 「ジャズ・アドバンス」があって、「ルッキング・アヘッド」があって、その後に、「セシル・テイラーの世界」がある。
 昔買ったLPの中に「ジャズ・アドバンス」がある。それも、聞き直してみよう。
 実は、「ルッキング・アヘッド」を買おうと思って、ディスク・ユニオンに由ったが、見当たらなく、かわりに手にしたのが、「セシル・テイラーの世界」。
 「エアー」を聞いて、さすがと感じた。
 フリー・ジャズ云々でなく、音楽としての迫力を感じた。
 「ジャズ・アドバンス」の中のセシル・テイラー作の曲「ソング」を聞く。
 ここでは、スティーヴ・レイシーがソプラノ・サックスが加わっている。
 いずれにしろ、セシル・テイラーの存在感は、半端ではない。
 さて、「セシル・テイラーの世界」の2曲目以降を聞こう。
 2.ジス・ニアリー・ウォズ・マイン
 3.ポート・オブ・コール
 4.E.B
 5.レイジー・アフタヌーン
 セシル・テイラーは凄いけど、聞き続けるのはしんどい。
 疲れる。
 現代音楽であって、愉悦が味わえない。
 結局、そうい言うことで、敬して遠ざけると言う結末に。  


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