阿片で幻覚

2019-02-02 | 【断想】音楽
 ベルリオーズの「幻想交響曲 op.14」。
 「ある芸術家の生涯のエピソード」と言うサブ・タイトルが付けられた曲だ。
 「かなわぬ恋」の感情がなせるわざが基調となっている。
 阿片を飲んで、死のうとした男が死にきれず、さまざまの幻覚にみまわれる。
 そんな夢うつつのうちに出てくるものが曲となり、全曲を通して、固定観念のごとく、繰り返し現れる旋律がある。
 それは「恋人の旋律」。
 吉松隆の本に、「頭にこびり付いて離れない楽想」との表現があった。
 この曲は、いわゆる「標題交響曲」である。
 「幻想交響曲」は、その第一号なのである。
 5つの楽章から成っている。
 ベルリオーズは、各楽章に以下のようなタイトルをつけた。
 そのうえ、それぞれに説明文を付けたそうだ。
 第1楽章:夢と情熱
 第2楽章:舞踏会
 第3楽章:野の風景
 第4楽章:断頭台への更新
 第5楽章:ワルプルギスの夜の夢
 その説明文には、ストーリーや情景が記されているのであろう。
 その表現について、吉松氏の本に、次のように記されていた。
 舞踏会の華麗さ:2台のハープ
 羊飼いの笛:イングリッシュ・ホルン
 雷鳴の遠近:複数のチィンパニ
 断頭台への行進:グレゴリオ聖歌「怒りの日」
 魔女の夜の饗宴:12音音楽のような語法
 《シャルル・ミンシュ指揮/パリ管弦楽団/EMI》で聞く。

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