ゴーイング・ホーム

2021-03-06 | 【断想】音楽

 ALBERT AYLER:アルバート・アイラー
 SWING LOU SWEET SPIRITUAL:スイング・ロウ, スイート・スピリチュアル
 Recorded : 1964
 Osmosis Record   Distributed by disk UNION
 アルバート・アイラーには、郷愁を感じさせるものが多い。
 このアルバムは黒人霊歌集のおもむき。
 僕は、アルバート・アイラーの魅力の発生源は、ここらにあると思う。
 「スピリッツ・リジョイス」なども同じなのだ。
 「聖者の行進」は、アイラーのソプラノ・サックスで始まる。
 「ゴーイング・ホーム:家路」は、泣けてくるくらい。
 「オールド・マン・リバー」、「ディープ・リバー」もいい。
  アイラーが好きな人は、ここらにはっきり出ている熱い情感に共感するからではないのだろうか。
 同じフリーのアーチー・シェップにも、「ゴーイング・ホーム」と言うアルバムがあるが、アイラーのように感じることはない。
 アイラーの「ゴーイング・ホーム」、カール・コブスのピアノではじまり、アイラーのしんみりしたテナー・サックス・・・。
 みんな、幼い頃の故郷を思う。過ぎ去った時間に呆然ともする。


“サバイバル”

2021-03-06 | 【断想】音楽

 キース・ジャレットの1976年の作品。
 当時、結成されていたキース・ジャレット・カルテットの最高傑作と言われる。
 この録音の後、解散している。
 アルバム名であり、曲名も「The Survivors' Suite」。
 これは、サバイバルした人と言うような意味、日本では、「残氓」と名づけられて売られている。
 ここのところ、キース・ジャレットをよく聞く。
 静かなピアノ・ソロは、気分が落ち着くからではあるが、それだけではない。
 キース・ジャレットなる人が、なんだか気になるのだ。
 「The Survivors' Suite / ECM / 1976」は、Beginning(発端)とConclusion(結末)の2部構成。
 キース・ジャレット(p,ss,etc)
 デューイ・レッドマン(ts,per)
 チャーリー・ヘイデン(b)
 ポール・モチアン(ds)
 CDに、児山紀芳氏の解説が付いていた。
 「・・・・いろんな要素がキースの音楽にはまざり込んでいるが、キースの音楽の核にあるのは、常に人間キース・ジャレットのまごうかたなき血である。・・・」
 そして、その血について、触れていた。
 僕は、児山氏のように、音楽にアプローチしていくのが好きだ。


スイート・ヴァリエーション:SWEET VARIATION

2021-03-06 | 【断想】音楽

 久し振りに、新宿のタワー・レコードに行った。
 オリビア・オンと言う歌手のCDが売られていないかと思ってであった。
 彼女の歌う「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」をユーチューブで聞いて、素晴らしいと感じたからだった。
 そのかそけさに魅せられた。
 しかし、店には、その曲を収録したCDは売っていなかった。
 それで、同じフロアのジャズのコーナーに行った。
 なんとなく、アルバート・アイラーのところを見ていて、「ALBERT AYLER THE EARLY ALBUMS COLLECTION」(ENLIGHTENMENT)と言うCD4枚組のを見つけた。
 アルバート・アイラーの一番はじめのアルバムは、「SOMETHING DIFFERENT!!!!!」で、「ファースト・アルバム」とも名づけられて売られている。それは、Vol.1とVol.2の2枚になっている。
  Vol.1は、随分、昔に買って、持っている。Vol.2は、持っていない。
 そのVol.2を、少し前、ディスク・ユニオンで、見かけたように思った。よく、確認したわけではない。しばらく後に、しっかり確認しようと出かけた時には、それはもう見あたらなかった。
 それで、気になっていたときに、「THE EARLY ALBUMS COLLECTION」を見つけた次第。この中にあるかと思って、とりあえず購入した。
 家に帰って、よく見ると、残念ながら、Vol.2は、収録されていなかった。
  ただ、初期のアルバムで、持っていない「ALBERT SMILES WITH SUNNY」が収録されていた。買っておいてよかったと思った。
 アルバート・アイラーのアルバムの3分の2くらいは持っているか。
 折角だから、すべてを揃えておきたいとも思う。
 聞くかどうかは別にして。
 アルバート・アイラーは好きだが、すべての演奏が好きかとなるとそうでもない。
 「ALBERT SMILES WITH SUNNY」の1曲目が、「SWEET VARIATION」。
 ALBERT SMILES WITH SUNNY / InRespect Records / 1964
 このアルバムは2枚組になっいるようだが、1枚目は、ESPからの「プロフェシー」と同じだそうだ。
 1.SWEET VARIATION, NO.1
 2.GHOSTS(ANOTHER VARISTION)
 3.THE TRUTH IS MARCHING IN
 4.NO HEAD
 5.SWEET VARIATION NO.2
 アルバート・アイラー(ts)
 ゲーリー・ピーコック(b)
 サニー・マレー(ds)
 もしかしたら、フリー・ジャズは、耳だけでは愉しみにくい音楽なのかも知れない。
 演奏者の表情、動きをみながら聞いた方がいいような。