薄青い日

　降った雪が陽を浴びてとける。
　梢からは水が滴る。
　うす青い空。
　蒸発する水のせいか。
　向こうの丘は靄がかかったようだ。
　小鳥の声もしない静かな午前。

こひしきことの色

　もうすぐ、梅の季節。
　式子内親王の歌をひとつ。
　　むめの花こひしきことの色ぞそふうたて匂ひの消えぬころもに
　人の思いはさまざまである。
　大切な思い、こだわりたくない思い、捨て去りたい思い、だけど捨てがたい思い。