コブシの白い花

　コブシの木が、その存在を明らかに示すのは、なんと言っても、あの白い花を咲かせるときであろう。ホオノキやユリノキと同じモクレン科であり、白い大きな花をつける。まだ、彩りなき冬景色残る野辺で、それは、ひときわ目をひく。春の訪れが高らかに告げられるのである。
　千昌夫の大ヒット曲「北国の春」（いではく作詞）の「白樺　青空　南風　こぶし咲くあの丘　北国のああ北国の春・・・」という歌声が、好むと好まざるとにかかわらず、聞こえてくるような気分になる。
　ただ、今年の春、コブシの花を余りみなかったように思う。見過ごしただけだろうか。そういえば、幾つもの実が集まった房状の果叢というのか、それもほとんど見なかったように思う。去年は、それを拾って狸に投げてやったのだが。これからなのだろうか。
　何か環境に変化があったのかと気にかかるのである。