バラとの会話

2006-11-09 | 【樹木】ETC
 神代植物公園で買ってきたミニバラの鉢をベランダのテーブルのうえに置いた。赤い花がひとつ開いており、もうすぐ開きそうな蕾が四つある。受け皿に水を注ぐとすぐに吸い上げてしまう。
 バラを見つめていると、何かを語りかけてくるような気持ちになる。植物もよく声をかけてやると、よく育つということを聞く。それだけ気にかけて世話もするということなのだろうが、果たして植物に聴覚はあるのだろうか。
 田中修著の「ふしぎの植物学」(中公新書)に、そのことの実験をしているとあった。植物に音楽を聞かせると、効果がでるときと、でないときがあって、再現性がなく、聴覚はなさそうであるというものであった。ただ、もし、植物自体に聞きたいときと聞きたくないときがあって、聞きたくないときに無理に聞かせても効果がないと考えてみると楽しいと。そして、これを証明することは、きわめて難しいだろうと。
 植物には聴覚がないのかも知れぬ。しかし、語りかければ、返事もするという人間側の気持ちは、否定しがたく在るのである。人間の勝手な思いこみに過ぎないとしても、どうせなら、いい語らいをもちたいものだ。