閻浮恋しや 2018-03-08 | 【断想】ETC 謡曲「重衡」より。 春を忘れず花は咲きけり、・・・・ 豊かならざる修羅道の責め、あら閻浮恋しや。 ・・・・・・ 瞋恚を助けて、賜び給へ。 昔も今も、人は同じ。 花も同じ。 生命体のもつものと言うだけか。
執心の閻浮の世 2018-03-07 | 【断想】ETC 魂は冥途にありながら、 魄は此世のとどまりて、 なほ執心の閻浮の世に、・・・ 謡曲の実盛の部分である。 閻浮の世に現れるは、実盛の幽霊。 執心はいかほどで、幽霊にいたるのか。
花の木蔭 2018-03-06 | 【断想】ETC 謡曲の重衡、笠卒都婆とも呼ばれる。 「霊鬼泣く泣く前生の業を恨み・・・」 悲しいね 君の努力は決して報われはしない せめてできること 見つけた細い道 それもただの思い込み そう それでもね 窓をあけると 木々の匂い そんな時 俺は狼 惑いも苦しみもない
一村雨の雨やどり 2018-03-05 | 【断想】ETC 謡曲・邯鄲のなかに、 「一村雨の雨やどり」とある。 雨やどりからの追想。 雨に降られて、 庇ををかりた宿に色っぽい美女。 かつて、そんな出会いがあったような記憶。
悲嘆より追想 2018-03-01 | 【断想】ETC エピクロスの言に、 「亡くなった友人にたいしては、悲嘆によってではなく、追想によって、共感を寄せようではなか」(出隆・岩崎允胤訳)と言うのがある。 なんだか、この考えに共感している。 ずっと、昔から。
つひに行く道 2018-03-01 | 【断想】ETC 在原業平は、なんて言ってたかなあ。 そう思って、本をひらいた。 つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを 死が現実味をおびてきたなあと言うことか。 それで、業平は、どうしたんだろう。 これだけでは、ただ、それだけだな。 五十六歳の死。 俺より、ずっと若かったんだなあ。 どんな馬鹿も、悧巧な奴も、醜男も、色男も、いつしかあの世行き。 不器用で死ねないと言う奴もいないな。
時過ぎ頃されば 2018-02-28 | 【断想】ETC 謡曲の邯鄲に「かくて時過ぎ頃されば、・・・」とある。 わたしは、そんな言い方がとても好きだ。 きっと七五調が心地いいんだと思う。 それに、「時が過ぎる」と言うことだけにも、 とても深く重いものを感じる。
茫々として 2018-02-27 | 【断想】ETC 邯鄲に、「ただ茫然と明かし暮す」とのフレーズ。 なんとなく、身にしみる。 あらためて、胸に問えば、 茫々として見えるものなし。 友からのコンサートの知らせ。 茶会の招き。 時を得ず。
命終われば夢ぞかし 2018-02-26 | 【断想】ETC 「浮世の旅に迷いきて・・・」とはじまる謡曲・邯鄲の一節。 「百年の歓楽も、命終われば夢ぞかし。・・・・ げに何事も一炊の夢・・・」 謡曲に登場する旅人は、この世は夢と悟る。 夢と言えば夢、とは言うものの、 あれやこれやと落ち着かぬ。 あくせく過ごす浮世の旅よ。 梅の香りのよきことよ。
死すべき身として 2018-02-25 | 【断想】ETC パルラダスの詩に 死を待つ心こそ苦しみ 人は死によりて この苦しみから解放される というようなのがある。 そんなことも、話し合った。 雪山での死がいいと語る友と。
酒に浮かべこそ 2017-12-25 | 【断想】ETC 天平二年、太宰府での梅の宴にてうたわれたとされる一首。 宴を主宰したのは大伴旅人、この歌の作者のようでもある。 梅の花夢に語らくみやびたる花と我れ思ふ酒に浮かべこそ 梅の花 夢にあらわれ 語る あちきは雅たる花 美酒に浮かべてたもれ 梅の花が楽しみに思える時節となった。
「愛酒樂酔」 2017-12-15 | 【断想】ETC 今宵は、坂口謹一郎の「愛酒樂酔」より一首。 とつくにのさけにまさりてひのもとのさけはかほりもあじもさやけき ウィスキーはあくまでストレートで 折角のアルコールを薄めたくない 葡萄酒は赤がいい 香りも味もずっしり重いのがいい 日本の酒はやはり一番 その他の酒はやっぱりその他です おおざっぱに言うならば・・・・・
「祝盃」 2017-12-13 | 【断想】ETC ステファヌ・マラルメの「祝盃」という詩の一部(渡辺守章訳)。 美酒の 酔いの誘えば 抗えず 酔いの船足 それも 恐れず 高々と 献げる この祝盃は マラルメの詩集 ほとんどおきっぱなし 渡辺守章訳が出て 改めて手にはしたけど そのまんま たまたま開くと 美酒とある それでちょっと