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梅も濡れて

2013-03-05 | 【樹木】梅
 夜になって雨
 雨の音は
 気持ちを落ち着かせてくれる
 老子の教えやエピクロスの箴言より
 《スペインの庭の夜》のギターより
 その効果ははるかにまさる
 程久保川ぞいの蔵の白壁を背にした枝垂れ梅も
 いま雨に濡れ
 潤っているのだろう

梅はおとづれて

2013-03-04 | 【樹木】梅
 梅が詠みこまれた式子内親王の歌。
  袖の上にかきねの梅はおとづれて枕にきゆるうたたねの夢
 春の日射し、こじんまりした庵で
 梅を見つつ、もの思い
 袖に花びら、ものかな香り
 わたしはいつしか、気が遠くなりそう
 おだやかなことなんかなかった
 嬉しいことなんてなかった
 だけど、うたた寝
 夢、夢、夢・・・・ 

白梅にあくる

2013-02-28 | 【樹木】梅
 いつの間にか、梅の花の季節となった。
 梅というと、蕪村の一句が思い浮かぶ。
 これまで何度も取り上げたが、ここに記す。
 死をまえにして、人はどうあるのがいいのかと。
  しら梅に明る夜ばかりとなりにけり

 昨年12月に総選挙があった。
 その1ヶ月後に、ブログへの記事を再開。
 1月が過ぎ、2月が終わろうとしている。
 この間、ブログの記事を毎日送った。
 このブログは、樹木のことをメインにしている。
 ここのところ、新知識の吸収もなく、内容は停滞。
 明日から、あたらしい状況に身を置く。

紅梅の声

2013-02-25 | 【樹木】梅
 紅梅や謡の中の死者のこゑ(宇佐美魚目)
 能には、それがあたりまえのように、亡霊が登場する。
 その謡うところ、うったえるところには、狂おしいものがある。
 その声のぬしに、白梅のイメージはわかぬ。
 紅い紅い血のような、それでいて褪せたところがある紅梅か。
 謡曲「実盛」より。
 魂は冥途にありながら、魄は此世にどどまりて・・・・・。
 あなむざんやな、・・・・。
 終に首をば掻き落されて・・・・。

うたて匂いの

2013-02-24 | 【樹木】梅
 梅の花が咲いていた。
 それに気づき、眺めることができた。
 風はまだ冷たいが、なんとめぐまれたことよ。
 梅の花に、恋の思い出はありますか。
 梅にちなんで、式子内親王の歌をひとつ。
 むめの花こひしきことの色ぞそふうたて匂ひのきえぬころもに

それぞれの梅

2013-02-23 | 【樹木】梅
 梅の花がつき出している。
 陽あたりのいいところからだ。
 住まいの窓のそとの梅はまだ蕾。
 いずれ咲く。
 陽あたりのいい道を歩める人。
 苦難が宿命となっている人。
 それぞれである。
 今日は天気がいい。
 外へ出かけよう。
 梅の花のつき具合でもみようではないか。

もうすぐ梅の花だよ

2013-02-21 | 【樹木】梅
 花ひらくときが心待ちになる季節がやってきた。
 香りに、それを気づきかせもする梅の木である。
 今日、近づいて、見ると、蕾がふくらんでいた。
 あいつも生きていれば、梅の花を愉しめたのに。
 何が君をかりたて、死神を招いてしまったのか。
 俺はさみしいぞ。
 式子内親王の歌。
  色つぼむ梅の木の間の夕月夜春の光を見せそむるかな

こひしきことの色

2013-02-13 | 【樹木】梅
 もうすぐ、梅の季節。
 式子内親王の歌をひとつ。
  むめの花こひしきことの色ぞそふうたて匂ひの消えぬころもに
 人の思いはさまざまである。
 大切な思い、こだわりたくない思い、捨て去りたい思い、だけど捨てがたい思い。

花は匂ひて見えず

2011-03-01 | 【樹木】梅
 馬場あき子の「和泉式部」(河出文庫)を読んでいる。
 梅の花をよみこんだ歌のひとつ。
 帥宮の薨去で喪に服している折に、「これ見て慰めよ」と梅花が届けられた。
 これに応じての一首。
 世に経れど君におくれてをる花は匂ひて見えず墨染にして

「きれいね」

2011-02-27 | 【樹木】梅
 香りで、その存在を知らせてくれた梅がある。
 数年前のことだ。
 多摩動物公園を散歩していた俺の足を止めさせた。
 以来、毎年、その花を見、香りに季節を感じていた。
 今年もと思っていた。
 早く行かないとという気持ちだった。
 今日、ようやく、その花を見、香りを嗅いだ。
 梅の木のそばにとどまっている俺に気づいて、小さな女の子がやってきた。
 「きれいね」と言った。
 なんだか、恥ずかしかった。

梅咲かば見にと来なまし

2011-02-26 | 【樹木】梅
 二月下旬の午後、梅園を歩く。
 出店もあって、それなりの賑わいがあった。
 海苔をまいた団子を食べた。
 梅の木の種類を知ろうと、あれこれ調べたのは、去年だったろうか。
 一昨年だったろうか。
 そのあらかたを忘れてしまった。
 花を見て、いいなあと思った梅の木に「宇治の里」との表示があった。
 野梅性八重、千葉大学の梅林から広まったとの説明書き。
 和泉式部の一首。
 春はただわが宿にのみ梅咲かば離れにし人も見にと来なまし