まずはゴルフから。国内女子メジャー《ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会》最終日。プロ3年目の21歳、竹田麗央が国内メジャー初優勝を手にした。後続を3打リードしてスタートした最終日、5バーディ、2ボギーの「67」で回り、2021年大会の稲見萌寧(19アンダー)に並ぶ「大会最多アンダーパー」の通算19アンダーで逃げ切った。今大会での初日から首位を守り切る“完全優勝”は、4日間競技に移行した82年以降では日本人で初めて。過去に涂阿玉(台湾/1985年)、辛ヒョンジュ(韓国/2008年)、申ジエ(韓国/2018年)が達成している。竹田は4月《KKT杯バンテリンレディス》でのツアー初優勝を皮切りに通算6勝目。「ツアー初優勝を挙げたシーズンでの6勝」は1989年の小林浩美(現日本女子プロゴルフ協会会長)以来2人目。また《KKT杯バンテリンレディス》と《フジサンケイレディス》に続き、前週《ゴルフ5レディス》から今季2度目の2週連続優勝で、「同一シーズンで2度の2週連続優勝」も2015年のイ・ボミ(韓国)以来2人目となった。1位を走るメルセデスランキングは国内メジャー優勝の400ptを加算し、2574.51pt。2位山下美夢有との差を466.61ptに広げ、初の年間女王へ加速した。山下は竹田と4打差3位から出て「66」をマークして18アンダー。決勝ラウンドでただ一人ボギーなしの安定感を見せたが、今季初優勝はならず6度目の2位に終わった。2位から出た岩井明愛は「75」と崩れ、10アンダー9位だった。米ツアーからスポット参戦した古江彩佳は8アンダー15位、吉田優利は7アンダー17位、勝みなみは4アンダー33位だった。竹田の強さが光ったゲームだった。この強さは本物。また山下もさすがの力を見せた。上位に来た選手は本当に良く頑張った。ただレベルが上がったのかもしれないが、メジャーで20アンダー近く出るスコア設定はいかがなものか。ボギーが少ないスコアの戦いになると、ゲーム自体が面白くないと感じるのは僕だけだろうか。
国内男子ツアー《シンハンドンヘオープン》最終日。首位タイから出た平田憲聖が1イーグル6バーディ、2ボギーの「66」で回り、後続を1打差で振り切る通算22アンダーで今季3勝目、前週《フジサンケイクラシック》に続く2週連続優勝を飾った。通算5勝目を3ツアー共催競技で手にし、韓国とアジアンツアーの来季出場権も獲得した。優勝賞金2714万400円を加算した今季獲得額は8065万2029円に達し、賞金ランキング5位から1位に躍り出た。通算21アンダーの2位に、4位から「64」をマークしたトラビス・スマイス(オーストラリア)。出だし1番から7連続バーディを奪うなど、前半アウトに日本ツアー9ホールの最少ストローク数に並ぶ「28」を記録した。平田とともに首位タイから初めての最終日最終組をプレーした鈴木晃祐は4バーディ、2ボギーの「70」と伸ばし切れずに通算18アンダー3位。平田との同年代対決に敗れ、ツアー初優勝はならなかった。46位スタートの石川遼は8バーディ、2ボギーの「66」と伸ばし、通算12アンダーの20位に浮上して4日間を終えた。先週、平田が先週の運を味方に活躍するかもしれないと書いたが、まさか2週連続とは…。ただこの勝利は3ツアーの出場権を得る勝利。大きな飛躍になるかもしれない。
今日の重賞を振り返る。中京11Rで行われた【第38回産経賞セントウルS】は、菅原明良騎乗の2番人気トウシンマカオ(牡5歳・高柳瑞樹厩舎)が中団から豪快に差し切り4度目の重賞制覇を果たした。勝ちタイムは1分7秒7。1/2馬身差の2着に好位からしぶとく脚を伸ばしたママコチャ(4番人気)、さらに3/4馬身差の3着にはモズメイメイ(7番人気)が続き、1番人気の支持を集めたピューロマジックは果敢に逃げたものの直線半ばで後続に捕まり13着に敗れた。
勝ったトウシンマカオは左回りでの重賞実績がなく、正直どうなのだろうと思っていたが、直線に向いてとんでもない脚を見せた。この馬はこの位走ってもおかしくないが、外枠も良かったのだろう。ここは前哨戦で、やや余裕があった感じなので、まださらに良くなるはず。条件は付くが、大舞台で楽しみな一頭だ。G1へ向けて良い競馬のが2着ママコチャ。積極的な競馬で57㌔背負ってこの走り、視界良好といえる走りだった。3着モズメイメイには正直驚いた。1枠1番で、前目に付け、脚もたまった。内が開いた瞬間に潜り込んでいって抜けだしたが、上位2頭が強かった。今後ちょっと気にしたいのが4着アネゴハダ。枠も良かったのだが、このメンバー相手にここまで走れば今後面白いだろう。
トウシンマカオは、父ビッグアーサー、母ユキノマーメイド(母父スペシャルウィーク)という血統。北海道新ひだか町・服部牧場の生産馬で、馬主は(株)サトー。通算成績は19戦7勝。重賞は22、23年【京阪杯】、今年の【夕刊フジ賞オーシャンS】に次いで4勝目。高柳瑞樹調教師、菅原明ともに【産経賞セントウルS】は初勝利となった。
一方、中山11Rで行われた【第69回京成杯AH】は、C・ルメール騎乗の1番人気アスコリピチェ-ノ(牝3歳・黒岩陽一厩舎)が中団追走からスムーズに3~4コーナーを回ると、直線で抜群の伸び脚を見せて快勝。1985年エルプス以来39年ぶり5頭目となる3歳牝馬Vを果たし、秋のGI戦線に弾みをつけた。タイムは1分30秒8。1馬身1/4差の2着には後方2番手から追い込みを見せたタイムトゥヘヴン(14番人気)、さらにアタマ差遅れた3着に好位追走のサンライズロナウド(3番人気)が入った。
勝ったアスコリピチェーノは完ぺきな勝利だった。中団から後ろの位置取りだったが、冷静な走りで外から位置を上げていき、直線ではいつも通りの良い脚だった。夏を越して、馬が落ち着いて強くなった。たぶん距離を延ばしても良いのかもしれないが、取りあえずマイル路線の主役だろう。2着タイムトゥヘヴンは正直驚いた。【関谷記念】は前が止まらなかったが、今日は嵌った。坂のあるマイルはいいのかもしれない。3着サンライズロナウドは目の競馬で力は出し切った。ただ勝ち馬が強すぎて…勝ちに行って3着になってしまった。 アスコリピチェーノは、父ダイワメジャー、母アスコルティ(母父Danehill Dancer)という血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は(有)サンデーレーシング。通算成績は6戦4勝。重賞は2023年【新潟2歳S】、【阪神JF】に次いで3勝目。黒岩陽一調教師は【京成杯AH】初勝利、C・ルメールは18年ミッキーグローリーに次いで2勝目となった。
今週は勝ち馬に“参った”という競馬で馬券は散々だった。来週から頑張ろう!