風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

岩手三山伝説

2009-02-05 | 風屋日記
今朝は冷えた。
何度かわからないが、少なくとも昨日より低く、
盛岡では-10度近くまで下がったのではあるまいか。
手袋をしていても指先が痛く、
鼻の奥がツーンとして顔の感覚がなくなった。
会社近くの堰からは
湯気というか靄が盛んに立ち上っていた。
写真は盛岡駅西口、マリオス前から見た昨日の岩手山。

岩手山をはじめとした三山には伝説がある。

むかし岩手山と姫神山は夫婦の山で
仲良く寄り添って暮らしていました。
岩手山はじつに雄大な男らしい山で、
まわりの山も「南部がいくら広くても、
岩手山ほど男振りが良くて立派な山は二つとない」
とほめそやしていました。
そのため岩手山は
「おらは南部の山々の大将じゃ」といばりはじめ、
とうとう「おめえみたいな女はさっさと出ていけ」
と姫神山を追い出してしまったのです。
追い出された姫神山は足の向くまま歩いて
日も暮れかかった頃、
顔見知りの早池峰山とばったり出会いました。
わけを聞いた早池峰山は気の毒に思い
「よかったら今夜はおらとこさ、とまりやんせ」
と親切に言ってくれたので
姫神山はついていくことにしました。
いっぽう、姫神山を追い出してせいせいした岩手山は、
翌朝目をさましてびっくりしたのです。
北上川をへだてた目の前にきれいに着飾った姫神山と、
逞しい早池峰山が仲良く並んでいるではありませんか。
かねてから煙たく思っていた早池峰山が
姫神山と仲良くしているのを見て面白い訳がありません。
岩手山は急に姫神山が惜しくなって、
「こら早池峰、人の嫁をよこどりしおって。
 いますぐ返せ。」
と無理難題を言いはじめました。
早池峰山も負けてはいません。
「おんだしておきながら、今更なにをいう」。
二人は大声でののしりあい、
とうとう戦になってしまいました。
頭から火をふきあげ、
どろどろに溶けた真っ赤な岩をぶつけ合い、
まわりの草も木もたちまち黒焦げになってしまいました。
戦は岩手山が勝ちました。
負けた早池峰山は北上山地の奥に引っ込み、
姫神山はまた岩手山の嫁さんになりました。
今でも岩手山と早池峰山は仲が悪く、
早池峰山が晴れると岩手山は曇り、
岩手山が晴れると早池峰山が曇るといわれます。
            (岩手三山伝説より)

※岩手山(いわてさん)は標高は2,038m。
 別名に巌鷲山(がんじゅさん)があるが、
 これは春先の雪型が
 飛び去る鷲に見えるところからつけられた由。
 静岡県側から見た富士山に似ており、
 その片側が削げているように見えることから
 「南部片富士」とも呼ばれる。

 ふるさとの山に向ひて言ふことなし
     ふるさとの山はありがたきかな(石川啄木)

※早池峰山(はやちねさん)は北上山地の最高峰で、
 標高は1917m。
 当山に生息するハヤチネウスユキソウなどの高山植物は
 国指定特別天然記念物に指定されていて、
 高山植物の好きな人には憧れの山である。
  山頂には早池峰神社があり、
 神仏習合の時代から山岳信仰が盛んな場所であった。
 麓の集落で伝承される刀を手に勇壮に踊る
 早池峰神楽は国指定無形文化財であり、
 ユネスコの保存無形文化財にも指定された。

※姫神山(ひめかみさん)は、
 岩手県盛岡市玉山区にある山で、標高1124m。
 ピラミッド型をした山容が特徴である。
 玉山区の最高峰で、
 山麓の渋民村(盛岡市玉山区渋民)出身の
 歌人石川啄木がこよなく愛したことで知られる。

        (以上 wikipediaなどからの抜粋)
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする