吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

T P P(環太平洋パートナーシップ協定)展望

2010年10月30日 | Weblog
今週の新聞テレビは、事業仕分け一色だ。たまに出る中国との尖閣列島問題やAPECがかすむ。依然回復の兆しが見えない米国経済やオバマ与党の苦戦さえ、小さなトピックス扱いだ。

一つ先週あたりの印象が残る話題といえば、TPPだろう。4~5年前チリー、ブルネイ、シンガポール、ニュージーランドのわずか4か国でスタートした経済貿易の自由化連合協定への周辺国の関心が大きく高まった結果だ。このTPP、日本語にすると、環太平洋パートナーシップ協定となるが、ただいま、オーストラリア、ペルー、マレーシア、ベトナムとアメリカの5か国が参加を表明している。来年中に、環太平洋9か国のFTA(自由貿易協定)連合ができそうなのだ。

いつの間にか後退した感のある鳩山前政権の「東アジア共同体構想」だが、東アジアと環太平洋の見方の違いからでもあるまいに、世の中はあいまいさや覚悟が見えない日本イニシアティブをスルーし、”環太平洋”コンセプトで歩き出しているようだ。

自由貿易や関税撤廃を骨子とした貿易経済自由化連合を目指す会議や協定は多い。二国間の関税や規制を撤廃しようとするFTA(自由貿易協定)やこのFTAをさらに進めて労働や投資の自由化までを含めるEPA(経済連携協定)などがあるが、TPPはこれらを包括する”例外なき関税撤廃”を目指す協定連合だ。

ASEANやAPECといった協力会議を超えた経済共同体や連合なのだ。小さな国土(0.3%)の食糧自給率40%の日本の農業をどのように展望するかや国民の食糧や生活の展望をどのように展望するかのビジョンも出ていない政府は、TPP参加問題をどのようにするのだろうか。菅(環)だ小沢だの問題ではないのだ。

おそらく”参加”が、世の中の潮流だろうが、そのための農業政策や国民の生活展望を明確に示すことが急がれよう。日米問題および農家個別保障や保護、補助の問題ではないのだ。
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