いろいろ喧騒した令和三年。2021年令和三年の季節の風景を俳句にまとめてみました。Ⅰ、自然の風景 Ⅱ、生活の風景 Ⅲ、世の中の風景 に区分し、それぞれの風景の詠句を初春の1~3月、仲春の4~6月、暑夏の7~9月、晩秋の10~12月に分けて記載します。
Ⅰ、自然の風景-私撰24句
1)1~3月の6詠句:
・春探す目白の渡り藪椿・飯桐の揺れる赤い実鶸の群れ・草萌を分けて顔出し竦む虫 ・冬木立たった一つの寄生木よ・木守柿守る鵯青い空・菜種梅雨知せる兆し逆さ虹
2)4~6月の6詠句:
・葉桜の古木並木に南風 ・段々の葉座花赤く仏の座・雨上がり額紫陽花に黒揚羽 ・春風や揺れるタビラコ蟻登る・曇天のコロナ禍の空夏つばめ・豪雨往く鳰の浮巣の壊れ跡
3)7~9月の6詠句:
・エアコンは休む暇なし夏休み・豪雨往きミンミン蝉の声高し・花に似せ斑な香り藤袴 ・突然のゲリラ豪雨や送り梅雨・豊作を祈る農夫や八朔節供・雨止んで胡桃の房に四十雀
4)10~12 月の6詠句:
・屯ひて協奏奏でるこおろぎよ・寒の晴風に抗う紋黄蝶・ぶら下る繭一つのみ枯木立 ・秋の暮点る庭の灯子らの声・週日の静かな湖面浮寝鳥・青い空落葉と遊ぶアカタテハ