吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

谷 文晁とその門人たちの教え!

2007年09月09日 | Weblog
 この週末(2007年9月8日)、板橋区立美術館まで約30分のウォーキングをした。江戸時代後期画壇の巨匠・谷 文晁展(谷 文晁とその一門展)を鑑賞するためだ。芸術や書画音痴のわたしだが、入館して展示ルームに入った途端、その”何かわからないスバラシさ”に圧倒された。

 水墨画のような墨彩画のような、日本画なのか中国画なのか私にはわからない。南画的であり写生画とも解説されていたが、洋画的日本画にも見える。自由奔放のようでもあり繊細なところも見せる。対象やテーマ、あるいはその時の自分の気持や考えで、書き方というか画法を選択しているようだ。

 一説には2000人の門人がいたともいわれる文晁の画塾は、江戸にあって写山楼と呼ばれていたが、絵画を学ぶ門人ばかりではなく、多くの文人や書家および趣味人が出入りしていたという。円山応挙や狩野派など幕府や藩御用達の正統派巨匠に反発するように町民や町の絵画家や文人に愛された文晁とその絵のようだ。形式や流儀に捉われない自由な画風が、多彩な門人たちを輩出したようだ。

 渡辺崋山ぐらいしか彼の門人を知らない自分が、文晁や彼の門人たちの絵や画風などをあれこれ言えないが、技法や描き方などを自分にも、門人にもシバラず、押し付けず自由に個性を、対象を表現させるようにしたことは、”教育とは何か”に悩むわたしたちに大きな教えをくれているようだ。

 こだわらず、押し付けず、発想やテーマを尊重し、個人個人の主観や特性を生かす教えは、創造性や革新が求められる現代にこそ大切なのではあるまいか。多くの教えをいただいた週末のちょっと暑さの残るショート・ウォーキングでした。
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