晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

年越しそば&走り納め

2006-12-31 21:36:56 | Weblog
 大晦日、札幌駅までの走り納め、目標は、札幌ESTA地下1階 立ち食いそば「ちほく」の(野菜)てんぷらそば、2時間20分ほどかかって到着。

 いつもながら、かつおだしが効いたタレが美味い、空腹と気温マイナス1度で冷えた体にしみる。札幌で一番おいしい立ち食い蕎麦屋さんだと思う。推薦します。

 蕎麦と言えば、故郷の釧路「東屋」、緑色の細いそばが美味しい。総本店は、春採湖畔にある「竹老園東屋」、ここのそばコースは絶品、欄切そば、茶そば、甘酸っぱいそば寿司、そしてスープはそば抜き。

 ついでに、帰省時に必ず立ち寄りたくなる店3箇所、「東屋」の他、レストラン「泉屋」のミートソーススパゲッティ、熱く焼いたステーキ用の鉄板に乗ってくる。ジュージュー、油がバチバチと撥ねて熱い、太い麺で盛りも多く、高校生の頃でも大盛りの完食は結構大変、定期テストが終わった日は、泉屋で昼食、その後「釧路映劇」で洋画を見るのが僕達のささやかな楽しみ。

 釧路ラーメンの「銀水」、あっさり正油味で、細いちじれた麺、古典的な昔風のラーメン、「ばってん」という店もあった。

 食べ物の話で脱線したが、今、本日2回目の年越しそばを食べました。

 2007年は、どのような年になるのだろうか、鷲田小弥太(札幌大学教授)が、10年位前に言っていました。「これからは、今まで考えられないような事が起きるぞ。なんでも有りの時代に入ったと。」



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『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』

2006-12-30 20:06:13 | Weblog
 今年も残すところあと2日、平年に比べ積雪が極端に少ない。
 1週間前に40cm降って、その後の雨で歩道はスケートリンク状態、そこに今日はうっすらと雪が積もり、最悪の路面状況。

 今日から、営業が休みなので、軽くランニング、柔らかい雪の上は、砂浜を走るような感じだが、ツルツル路面は、キックができず膝を上げない忍者走り。



 『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』(塩田潮著 WAC BUNKO 2006年刊)
 安岡正篤(まさひろ)、終戦時の天皇の詔勅草案を書き、「平成」の元号の発案者とされる。歴代の自民党総裁たちが、節目節目で重要演説や外交文書の草稿の相談をしてきた、保守思想界の教祖とされる人物。

 細木数子という占い師が、晩年の安岡と結婚している。

 保守政治家に、宰相学や政治哲学を授けてきた、その思想の原点は、中国の古典の漢詩、漢文において、古来の為政者がどう語り、それがどういう意味を持つかなど、そこに彼の知識量、博学振りが発揮され、上手く引用して、政治家の言葉の格調を高くしてきたのである。



 歴代総理の指南番といわれてきた安岡にして、中国思想の輸入代理店でしかないのである。この国の成り立ちが、大陸や半島からであり、思想も古来から固有のものに乏しく、権威は外に仰ぐ体質は変わらずというところか。

 どうもこの国は、心棒とか、核とかが無く、中空、スカスカなところで、空転しているのではないか。

 

 





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『硫黄島からの手紙』

2006-12-27 19:49:26 | Weblog
 休日の営業が続いたので、休暇を取って、「札幌シネマフロンティア」へ。

 日曜日は40CMの大雪、除雪前にその中を1時間半のラッセルランニング、本日は低気圧の接近による大雨。少しだけ、高揚感。

 『硫黄島からの手紙』(監督クリント・イーストウッド 製作スティーブン・スピルバーグ 2006年 WB)を観た。

 死に急ぐ狂気の硫黄島守備隊の中で、栗林中将(渡辺謙)とロス五輪金メダリストの西大尉(伊原剛志)が、開明派として米軍との戦いとともに軍内部でも戦う。

 この映画の主人公は、彼ら指揮官ではなく、パン屋の西郷(二宮和也)ら、下級兵士である。彼らは、命を捨てなければならない局面に何度も立たされる。

 私は、途中から自決する勇気の無い西郷になってしまい、死ぬことが怖く、卑怯、意気地なし、非国民と言われても、何としても生き抜きたいと思い続けながら観ていた。

 誰しも死を恐れる。しかし、組織の論理は、殺すこと、死ぬことを命令する。NOと言えない不合理、そして死以外の逃げ道も無い。多くの皇軍兵士はどういう思いで死んでいったのであろうか。

 戦争は、物事のわかった人も、時流に乗ったお調子者も、全ての人の命を奪う。



 翻って、現在もアフガニスタンやイラクにもよくわかった人がいる。

 大きな声の出ない総理は、再び戦争のできる美しい国づくりをすると言っているが、拉致、拉致と遠吠えをしていないで、彼には命を賭けて直接交渉できる懐があるのだろうか。

 まだ、コイズミの方が全てに説得力があった。



 

 


 
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『60年代って何?』

2006-12-24 21:57:44 | Weblog
 「ハウツーではなく、ホワイのためにー「いま」を考える、気づかなかった視点」と謳われて、岩波書店から「時代のカルテ」という双書が刊行された。

 その中の一巻、『60年代って何?』(石川好著 2006年)は、120ページのコンパクトな装丁ながら中々楽しい本だった。

 年が明ければ2007年問題、1947年から1949年にかけて生まれたいわゆる団塊の世代の今春からの定年退職。第2次世界大戦が終わり、平和が訪れるとともに、先進各国共通に一斉に子作りが行なわれたことによる。

 彼らは、1965年前後から学生生活を送っており、本書は、その60年代アメリカを題材にしている。
 
 60年代革命のスローガンは、「ラブアンドピース」、ラブは、性の解放、アメリカ建国以来のピューリタンの建前を解体、女性解放運動に。

 ピースは、反戦、ベトナム戦争反対と公民権運動が結合。市民が戦争を止めさせた。

 著者は、この、60年代アメリカのリベラリズムが、今なぜ変質してしまったのかと問う。

 60年代リベラリズム世代の代表が、1992年から2000年のクリントン政権である。シリコンバレーの創業者、彼らも60年代世代、これら新産業を政権基盤とした。

 しかし、2000年の誕生したブッシュジュニア政権、彼も同世代であるが、2001年9.11以降大きく変質、ネオコン、キリスト教原理主義を基盤として、60年代革命への反革命として存在している。



 以上の視点は、少し荒いが面白い点からアメリカを見ていると思う。

 翻って、この国の団塊世代は、どう評価したらいいのだろう。学生運動などほんの一時期の反抗を以って、彼らは祭り上げられているが、その後は、無残にも企業社会に自らきちんと納まっている。

 その彼らが、リタイアだとして話題になっており、彼らの手にする多額の退職金に企業が触手を伸ばしている。

 ポスト団塊世代の私達は、いつも彼らが「我が亡き後に洪水来たれ」と進んだ後を、虚無を引きずりながら歩んでいる。

 私は、「早く、とっとと止めろよ」と叫びたい。

 
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『僕の歩く道』最終回

2006-12-19 21:11:30 | Weblog
 今クール(10月~12月)で、最後まで見続けることのできたドラマは、『僕の歩く道」だけでした。

 今期の特徴は、原作が劇画(漫画)を元にしたドラマが多いこと。ストーリー展開がマンガみたい(新庄談)でとても不自然な感じに違和感を覚えた。登場人物のキャラクターもエキセントリックで実在し難い。

 その中で。自閉症と言う重たいテーマをじっくり見せたのが本作品。また、主人公の輝明を草なぎ剛が本当にリアルに演じた。

 さて、最終回の本日はどのような展開になるのでしょうか。

 「都古は、今まで輝明を見守り・支えとなり・必要とされていた。しかし、輝明と離れて寂しさを感じているのは、自分の方だったと都古は気づく。都古が子供の頃から一番安心できたのは、輝明と一緒にいる時だったからだ。」

 「輝明は、ロードバイクのレースに出場するため、練習を続けていた。ついに輝明はレースに出場することに。」

 そして、輝明は、ロードレースを完走し、都古は、輝明と人生をともにする道を選ぶ。




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『早稲田界隈』

2006-12-18 22:36:13 | Weblog
 『早稲田界隈』(浅井慎平著 大和出版 2000年刊)
 写真家浅井慎平氏の自伝的写真付き小説、495ページの大著なのに、1時間もあれば読んでしまえる。早稲田周辺の写真が大半のページを占めているから。

 1959年の入試から、1960年までの浅井氏の学生生活の日常を描く。'60年安保闘争の年にも関わらず、その話題は全くない。
 
 合格、友情、恋愛、青春・・多分、いつの時代にも共通する話題。

 しかし、この本を読むと、自分の学生時代を思い出す。あの頃どんなことをしていたとか、どんなことを考えていたとか。




「現苦」

てくてくと歩きました
工場の臭いが鼻に付き、自分を閉ざしてしまいました
彼も終始黙りこくっていました

ひたひたと歩きました
ポツリポツリと道端の言葉を拾い集めて、自分を語ってみました
ダンプの爆音の向こうで彼も語っていました

ずたずたと足を運びました
ポケットの煙草に火を点けて自分を現してみました
うしろで彼も火を点けていました

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『写真が語る 子どもの100年』

2006-12-16 19:59:03 | Weblog
 昨日、教育基本法改正案成立。防衛省も決定。

 テレビは、松坂大輔とかいう野球選手の大リーグとの契約をトップニュースで延々と流した。国会の動きは二の次に。全く意図的である。

 最近の傾向であるが、重要法案の成立前は、問題など中身を報道せず、法案成立後に、論点を詳しく報道する。国民の間に無力感が漂う様に。

 子どもが危ない。これらの動きの最大の犠牲者は、子どもである。

 『写真が語る 子どもの100年』(村上義雄編 平凡社 2002年刊)

 戦前、戦中、戦後の子どもの日常写真が掲載されている。
 戦前の貧しい子ども達と、幼稚園に通ういい所の子ども達。異なる身なり。
 大正デモクラシーの後、忍び寄る軍国主義。

 敗戦後、貧しさの中からの再出発、高度経済成長、みんなひとつの目標に向かって必死だった。

 そして現在、子どもの危機が叫ばれ、そして再び「戦争のできる国家」を目指した動きが。戦いに借り出されるのは、格差社会で職に就けない若者達。

 「大きな声の出ない総理」は、本当に危険な政治家である。



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ホノルルマラソン

2006-12-15 20:24:10 | Weblog
 仕事の後、体育館で小一時間のランニング。
 帰宅したら、妻の友人からのメッセージが。

 『ハーフ走れたらフル走れるよ・・・という
  言葉を信じてホノルルマラソンを走ってきました。
  目標の「歩かない」を達成
  4時間42分53秒
  ご主人に色々と教えてもらったおかげです。
  感謝!!』

 フルマラソン初完走おめでとう。走り始めて2年くらいでよく完走したと思います。随分と練習したのでしょう。手抜きのできない競技ですから。

 本当にうれしい。よくやった。よくがんばったと思う。
 
 こういう知らせは、エネルギーになります。

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『市場には心がない』

2006-12-14 21:11:56 | Weblog
 『市場には心がない』(都留重人著 岩波書店 2006刊)
 93歳の著者、ほぼ5年ごとに世情についての思いを公刊してきたという。著者自ら「おそらくこれが最後になるだろう」と語っており、本書が発刊された2006年2月、著者も同時に亡くなった。

 コイズミ改革は、「民でできることは民にゆだねて市場メカニズムを活かし、同時に小さな政府に変えていく」というものであった。
 市場では、競争により利潤追求を動機としながらも効率化が図られるとするものである。
 
 はたして、市場は万能なのか、「市場には心がない」と、著者はコイズミ改革を批判する。



 市場経済か、計画経済か、「民間」か、「公共」か、資本主義経済か、社会主義経済か。
 お役所仕事、民間は儲け主義という言葉もある。

 ソ連型社会主義が崩壊、資本主義が勝利、しかし、次第に資本の本性が現れる。規制緩和、リストラ、格差社会・・資本主義も矛盾だらけ。

 あたかも、資本主義と社会主義の負け比べだったかのように。

 この転換期の今こそ、人間の知恵が試されている。


 




 

 
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雪中ラン

2006-12-10 16:13:05 | Weblog
 国道274号沿いの気温は、0℃を表示していました。
 
 久しぶりに、吹雪の中をトレーニング。毛糸の帽子に手袋、ウィンドブレーカーの中は、汗を放出する繊維のインナー。

 走ると暖かくなり、汗は結構出るが、止まると急速に寒くなる。

 靴は、スノートレーニングシューズ(通称スノトレ)では無く、3年前位に開発された、スノーランニングシューズ、アイスバーンは、何を履いても滑ってしまいますが、圧雪では、靴底のパターンが良く雪を掴んで走りやすい。

 この手の、グッズの性能は日進月歩です。釣りをする人たちも、道具とかウェアーの進歩を言います。

 で、本日は、帽子にツララを作りながら、約15kmでした。

 テレビは、アジア大会のマラソンを中継していますが、暖かそうでうらやましい限り。選手は、いい条件のもと走れる喜びをもう少し表現して欲しいです。

 
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12月8日未明

2006-12-08 21:08:44 | Weblog
 昭和16年12月8日朝、ラジオは臨時ニュースを告げ、この国がハワイ・真珠湾を攻撃、米英との戦争状態に入った、と報じた。

 1.なぜ、満州事変は日中戦争へと拡大していったのか
 2.勝算がないままアメリカとの戦争に踏み切ったにはなぜか
 3.玉砕・特攻を生み出したものは何だったのか
 4.アメリカによる原爆投下は避けられなかったのか
 5.東京裁判で残された問題は何か

 知人から戴いた、『検証 戦争責任Ⅰ』(読売新聞戦争責任検証委員会編 中央公論新社 2006年)を貫く問題意識である。

 先入観として、「読売」だからなという気持ちがあり、批判的に読むことになるなと。

 戦前の意思決定過程や国家機構が詳しく調べられ、客観的な表現で貫かれていて、説得力のある論理が展開されている。

 しかし、決定的に欠落しているのは、アジアの侵略を受けた側の視点、これ無しには、国内の論理ばかり分析しても、結局、無責任体制と言うことになる。

 犯人探しをするよりも、何を犯してしまったのかが問われなければならないのではないか。



 翻って現在を見れば、「愉快犯」だったコイズミよりも、「確信犯」の大きな声の出ない総理の方が、警戒を要するのではないか。

 美しい国=再び戦争ができる国づくりにしないために。







 



 

 
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誕生日

2006-12-06 21:34:30 | Weblog
 今年もまた何回目かの誕生日がやってくる。
 
 随分と遠いところに来たなという感じと、これが自分の日常なのだという納得と、もうそろそろなのかなという疲れと、まだ別の何かをという微かな希望と。

 平凡に、幸せに、貧しくも無く、小市民的な毎日。

 50代に入って、極私的な重みを受けとめていく覚悟と、今を変えていくエネルギーの持続。

 『人は、今もっている力で全力で生きていく以外に無いのだから』ということを噛みしめながら。

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『昭和史最大のスパイ・M』

2006-12-05 20:09:01 | Weblog
 『昭和史最大のスパイ・M』(小林峻一、鈴木隆一著 WAC 2006年)
 副題は、日本共産党を壊滅させた男である。

 一言で言うと駄本である。どうしてこんな本を買ってしまったのか。

 戦前の日共の歴史を描いたものでは、立花隆「日本共産党の研究」や松本清張「昭和史発掘」があり、これらの方が断然いい。

 日共は、結党80年の一貫した歴史を誇るが、戦前、戦後を通して数々の過ちを犯してきている。これらを含めた80年なのだろうか。

 戦前の非合法下において、人が人を信じられず、「スパイ」とか「謀略」とかといった言葉が日常化している組織。「革命」の大義の元であれば、銀行強盗も正当化される組織。

 さて、現在の党はどうなのでしょうか。戦前からの歴史と共に、その体質も継承されているのではないか。一般社会では使うことの無い「スパイ」なる言葉を日常的に使っていないか。

 この党の関係者の最大の病理は、主観と客観の転倒である。こうあらねばならないという思いと、今はこういう状態にあるということの区別ができない、客観的に物事を判断できない。科学的社会主義を掲げているが、非科学的で主観的な認識しかできない。



●教訓:「平和」・「交通安全」・「健康」・・誰も反対できないスローガンを声高に叫ぶ奴を信用してはいけない。

●教訓:無目的な健康志向ほど不健康なものはない。





 

 
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日が短くなりました

2006-12-03 17:25:06 | Weblog
 今年は、12月22日が冬至です。一年で一番昼の時間が短い日と言われています。

 日没の時刻(札幌)を調べてみました。今日3日は、16:01です。何と、明日から15日までが16:00で最も早く太陽が沈み、16日から18日は16:01、22日は16:03で、
冬至の前に既に日没の時間が早くなっていきます。

 日の出の時間はどうでしょう。今日は6:48ですが、段々と遅くなり、冬至の22日でも7:03、12月29日から1月9日までが7:06で最も遅くなります。

 従って、昼の時間は、12月18日から24日の間と26日が、丁度9時間0分で一番短くなります。(分単位です。)

 これから、新聞の日の出、日没時刻欄と、空に注目です。

 

 
 今日の日経の読書欄に、「明治維新見直しの機運」として、昨日取り上げた、井上勝生著『幕末・維新』(岩波新書)のほか、三谷博著『明治維新を考える』(有志社)や、家近良樹編『もうひとつの明治維新』(有志社)、大藪龍介著『明治維新の新考察』が紹介されています。





 
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『幕末・維新』

2006-12-02 19:56:20 | Weblog
 急に気温が下がって、周囲でも体調を崩している方が多いです。小生も、気管支炎が回復せず、不調な一週間でした。

 『幕末・維新』(岩波新書 シリーズ日本近代史① 井上勝生著2006)

 本の帯には、「維新史を書き直す意欲作」と謳われていますが、どこが書き直されているのでしょうか。

 本書では、従来の歴史は、近代化を遂げた欧米列強がアジアを侵略するという対外的な危機を強調し、その事態に直面した江戸幕府の軟弱で屈辱的な姿勢であったとされている。

 それに対し、井上氏は、江戸時代の成熟した伝統社会のもと、地域の活発な経済活動が外国資本の侵入を断念させ、開国がゆっくりと受容、定着し、植民地化の危機をのがれ、自立が守られたとする。
 軍事的な劣勢のもとでも、巧みな外交があったとされている。

 一方、幕府を倒した明治政府は、天皇制を掲げ、「皇統綿々」「万世一系」などという非合理的な神国思想と大国主義を掲げ、以後冒険主義的な外交路線になっていったとされる。

 しかし、実際は、政府の要人が一斉に長期の外遊の出れるほど、列強との関係は安定していたものであった。

 
 私達は、無意識のうちに、「明治、大正、昭和・・」と教えられ、近現代史は、封建時代としての江戸時代とは断絶したものと教えられてきたのではないでしょうか。

 井上氏は、江戸時代の社会の成熟度を再評価する。反面、明治の近代化(富国強兵、殖産興業)を手放しでは喜ばない。
 戦前社会が、明治、大正からの延長で戦争への道となり、戦後はそれとは別の社会として再スタートしたと区切ってきたが、どうなのでしょうか。

 続刊を楽しみにしたい。

 


 

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