晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『早稲田界隈』

2006-12-18 22:36:13 | Weblog
 『早稲田界隈』(浅井慎平著 大和出版 2000年刊)
 写真家浅井慎平氏の自伝的写真付き小説、495ページの大著なのに、1時間もあれば読んでしまえる。早稲田周辺の写真が大半のページを占めているから。

 1959年の入試から、1960年までの浅井氏の学生生活の日常を描く。'60年安保闘争の年にも関わらず、その話題は全くない。
 
 合格、友情、恋愛、青春・・多分、いつの時代にも共通する話題。

 しかし、この本を読むと、自分の学生時代を思い出す。あの頃どんなことをしていたとか、どんなことを考えていたとか。




「現苦」

てくてくと歩きました
工場の臭いが鼻に付き、自分を閉ざしてしまいました
彼も終始黙りこくっていました

ひたひたと歩きました
ポツリポツリと道端の言葉を拾い集めて、自分を語ってみました
ダンプの爆音の向こうで彼も語っていました

ずたずたと足を運びました
ポケットの煙草に火を点けて自分を現してみました
うしろで彼も火を点けていました


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1 コメント

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現苦? (ブラックソルジャー)
2006-12-20 06:28:54
抒情のない詩のような感傷文には、コメントしません。

が、

『現苦』の語彙は、字面から意味が分かりますが、使用例はほとんど見たことがありません。

唯一つあげれば、ナンミョウカルト学会において、「イケダモノ先生をお守りするために、日常現苦を・・・」ぐらいです。

特に他意はありません。

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