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『60年代って何?』

2006-12-24 21:57:44 | Weblog
 「ハウツーではなく、ホワイのためにー「いま」を考える、気づかなかった視点」と謳われて、岩波書店から「時代のカルテ」という双書が刊行された。

 その中の一巻、『60年代って何?』(石川好著 2006年)は、120ページのコンパクトな装丁ながら中々楽しい本だった。

 年が明ければ2007年問題、1947年から1949年にかけて生まれたいわゆる団塊の世代の今春からの定年退職。第2次世界大戦が終わり、平和が訪れるとともに、先進各国共通に一斉に子作りが行なわれたことによる。

 彼らは、1965年前後から学生生活を送っており、本書は、その60年代アメリカを題材にしている。
 
 60年代革命のスローガンは、「ラブアンドピース」、ラブは、性の解放、アメリカ建国以来のピューリタンの建前を解体、女性解放運動に。

 ピースは、反戦、ベトナム戦争反対と公民権運動が結合。市民が戦争を止めさせた。

 著者は、この、60年代アメリカのリベラリズムが、今なぜ変質してしまったのかと問う。

 60年代リベラリズム世代の代表が、1992年から2000年のクリントン政権である。シリコンバレーの創業者、彼らも60年代世代、これら新産業を政権基盤とした。

 しかし、2000年の誕生したブッシュジュニア政権、彼も同世代であるが、2001年9.11以降大きく変質、ネオコン、キリスト教原理主義を基盤として、60年代革命への反革命として存在している。



 以上の視点は、少し荒いが面白い点からアメリカを見ていると思う。

 翻って、この国の団塊世代は、どう評価したらいいのだろう。学生運動などほんの一時期の反抗を以って、彼らは祭り上げられているが、その後は、無残にも企業社会に自らきちんと納まっている。

 その彼らが、リタイアだとして話題になっており、彼らの手にする多額の退職金に企業が触手を伸ばしている。

 ポスト団塊世代の私達は、いつも彼らが「我が亡き後に洪水来たれ」と進んだ後を、虚無を引きずりながら歩んでいる。

 私は、「早く、とっとと止めろよ」と叫びたい。

 

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