晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

青山透子 『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』

2017-08-22 16:27:44 | Weblog

またまた秋元札幌市長が後手を踏んでいる。清田区里塚公園に親子キツネが出没し、エキノコックス症感染の可能性があると繰り返し報道されているが、動物保護の法律を盾に全く手を打つ気が無いようだ。捕獲して市内の山林奥深くに放すなど策はあるはずだ。今朝(2017.8.22)の道新「読者の声」でも、奈良では天然記念物の鹿でさえ駆除していると紹介されている。今後おそらく、マスコミと市民からの要望に押されて、最終的には何らかの対策を取らざるを得なくなることになるだろう。

 

『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』(青山透子著 河出書房新社 2017年刊)            

新聞に公告が掲載されたので、早速書店へ。ジュンク堂札幌店売り切れ、紀伊國屋書店では、平積み台で最後の1冊だった。売れている!

大きな事故、否、著者に言わせると事件だ。それぞれの人がこの日の自分を記憶しているのではないか。僕は釧路の実家に帰省していて、夜のニュース速報を見たところから始まった。墜落地点が中々特定できないことについて、空港のレーダーで捉えているはずだし、自衛隊も米軍も全然頼りにならないなあとつぶやいていた。翌日は、札幌に戻る途中どこかのテレビで生存者がいたことを知って驚いたことを覚えている。

著者は、元日本航空客室乗務員。一緒に仕事をしていた同僚たちがこの事故で亡くなった。仲間の冥福を祈りながら、当時の新聞記事などの記録を調べていくと事故原因に数々の疑問が芽生える。本当のことが明らかにされていないのではないか。真実を語ることが死者たちへの義務。原因については決して、断定的な物言いはしていない。だからこそ、読む者の共感を呼ぶ。

この事件!については、類書、ブログ、HPがたくさんあるが、一番衝撃的だったのは、1993年刊行の『疑惑 JAL123便墜落事故―このままでは520柱は瞑れない』(角田四郎著 早稲田出版)である。基本的に本書も角田説に拠っていると考える。この事件を深堀りしていくと、この国の背後にある闇の世界が現れてくる。その意味では、著者は防衛的に書いている。

 

 

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左右社編集部 『〆切本』

2017-08-15 09:52:05 | Weblog

このブログの更新が滞ってしまった。私事が重なったのと「脳みそにコレステロールが溜まっている」ためだと思うが、日記を書くことに義務も〆切もないのでだらだらと半月が経過。ふと気になるのはブックマークしている「愛犬日記」が長らく更新されていないこと。

 

『〆切本』(左右社編集部 左右社 2016年刊) 

社会心理学者の森津太子氏の『計画と先送りの心理学』と題する講演を拝聴した。そもそも計画が間違っている、やるべきことをやらずに先送りにする・・耳の痛い言葉、わかっちゃいるけど♬ できません。これらの心的構造を専門家として理論付けした説明があった。質問!「では、心は身体のどこにあるのですか?」

この講演で、紹介があったのが『〆切本』、早速近くの図書館で借りて読む。余談だが、会社から給与を得ていた頃ならすぐに講演の帰りに書店で買っていただろうが、無業者になった現在、節約生活が続く。(トホホ・・)

久々に読んで楽しい本に出合った。僕の読書は、イデオロギー過多の傾向がある。田山花袋から始まり文豪たちが、原稿の締め切りに追われる様が、それぞれの著作に残されているのだが、左右社という僕は初めて聞いた出版社が、ここぞという文章を切り取って編集した本である。

〆切が来ないと書けないタイプ、〆切を守ると編集者になめられると決めてかかっている作家、俺は几帳面だから絶対締め切り前に入稿すると胸を張る人。それぞれが、独特の切り口と文体でおのれの心情を吐露する。その作家に抱いていたイメージが180度変わってしまうこともあり、つらいよなと同情する場合、バカじゃないのかと笑いが止まらない場合、何せ面白い本になっている。

ただ、「今日中に30枚を仕上げなければならないのに、今は頭の中が真っ白」などと言う言葉を読むと、書きたくて書いていると言うよりも、義務として原稿用紙を埋めなければならない売文業の性が見えてしまう。そんな埋め草を読ませられる僕らもいい迷惑だと感じた。

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