『早稲田界隈』(浅井慎平著 大和出版 2000年刊)
写真家浅井慎平氏の自伝的写真付き小説、495ページの大著なのに、1時間もあれば読んでしまえる。早稲田周辺の写真が大半のページを占めているから。
1959年の入試から、1960年までの浅井氏の学生生活の日常を描く。'60年安保闘争の年にも関わらず、その話題は全くない。
合格、友情、恋愛、青春・・多分、いつの時代にも共通する話題。
しかし、この本を読むと、自分の学生時代を思い出す。あの頃どんなことをしていたとか、どんなことを考えていたとか。
「現苦」
てくてくと歩きました
工場の臭いが鼻に付き、自分を閉ざしてしまいました
彼も終始黙りこくっていました
ひたひたと歩きました
ポツリポツリと道端の言葉を拾い集めて、自分を語ってみました
ダンプの爆音の向こうで彼も語っていました
ずたずたと足を運びました
ポケットの煙草に火を点けて自分を現してみました
うしろで彼も火を点けていました
写真家浅井慎平氏の自伝的写真付き小説、495ページの大著なのに、1時間もあれば読んでしまえる。早稲田周辺の写真が大半のページを占めているから。
1959年の入試から、1960年までの浅井氏の学生生活の日常を描く。'60年安保闘争の年にも関わらず、その話題は全くない。
合格、友情、恋愛、青春・・多分、いつの時代にも共通する話題。
しかし、この本を読むと、自分の学生時代を思い出す。あの頃どんなことをしていたとか、どんなことを考えていたとか。
「現苦」
てくてくと歩きました
工場の臭いが鼻に付き、自分を閉ざしてしまいました
彼も終始黙りこくっていました
ひたひたと歩きました
ポツリポツリと道端の言葉を拾い集めて、自分を語ってみました
ダンプの爆音の向こうで彼も語っていました
ずたずたと足を運びました
ポケットの煙草に火を点けて自分を現してみました
うしろで彼も火を点けていました