晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

少子化という嘘

2007-01-30 19:48:50 | Weblog
 日曜日の昼下がり、かつてはあんなに賑わっていた釧路市北大通り



 2005年の合計特殊出生率(一人の女性が生涯にわたり出産する人数)が、1.26になり、この国の人口は、2004年をピークに減少、21世紀初頭には半分以下になるという予測が出され、「少子化対策」が急務とされている。

 このことに真っ向から反論している論考に出会った。

 女性の平均出生児数は、戦後一貫して2人以上を保っている。(2.20)
 女性の生涯未婚率は、2000年で5.82%、94.18%は、50歳までに結婚している。
 このことから、導かれる合計特殊出生率は、2.20*0.9818=2.07であり、政府の発表1.26とは大きな差がある。

 政府数値は、期間合計特殊出生率と呼ばれ、晩婚化で出産年齢が遅くなったり、第1子と第2子の間が離れたりすると、統計的に変化してしまう数値である。

また、多産多死から、少産少死へ転換する場合、人口は増加期の後に、減少期が来るが、最後は一定状態になり、人口が全くいなくなるような言説は全くの嘘である。
 ここまでの出典は、「市場経済と共同体」(降旗節雄編 社会評論社刊 2006)所収の、田中史郎「少子化社会は本当に危機なのか」より。



 少子化対策の根拠がもしこのように、いい加減なところにあるのなら、担当する大臣のいい加減発言(機械・装置発言)もうなずけるものがある。

 この国の医療、年金、福祉などの社会保障制度は、この出生率をもとに議論されているが、何らかの意図を持って少子化を叫んでいるのではないだろうか。

 現在の見直しの方向は、負担の引き上げ、制度水準の引き下げである。この理由に巧妙に使われているのではないか。

 否、もっと、根底的には、この体制の真の危機の表出なのかも知れないが。


 

 

 

 
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釧路 泉屋のスパゲティ

2007-01-29 19:57:38 | Weblog
 先週は、毎日残業、週末は、釧路へと慌ただしい1週間で、ブログの更新ができませんでした。



 釧路に行けば、忙しくてもここに寄らなければという店があります。レストラン「泉屋」です。スパゲティミートソース、735円です。焼けた鉄板から油がパチパチ飛んできます。

 普通盛りでも、中々の量です。高校生の頃は、いつも大盛りでしたが、もうそんなに食べることができません。

 ママースパゲティの太い麺に、玉ねぎとひき肉のソースがからんで、いい味を出しています。ここと同じ味は、他でめぐり合ったことがありません。

 客は、市内の常連さんと、若い頃きっと食べていたに違いない、釧路に立ち寄った帰省と思わしき客が、入り混じっていました。





 
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コンサドーレ札幌 キックオフ2007

2007-01-21 20:23:53 | Weblog
 ウォウォウォーウ・・・行けサッポロ、勝利信じ、最後まで戦え・・ウォウォウォーウ・・

 駒大苫小牧と北海道日本ハムファイターズの活躍に比べ、2006シーズンは不本意に終わったコンサドーレですが、年末の天皇杯では、J1勢に混じって3位という成績を挙げ、2007シーズンへの期待が膨らみました。

 「コンサドーレ札幌 2007キックオフイベント」が開催され、新監督、新加入選手、新ユニフォームのお披露目がありました。

 J2暮らしも長くなり、今年こそはとこの時期サポーターは期待を寄せています。

 

 2年前の「2005年1月29日付け北海道新聞」に投稿した一文です。今も、気持ちは全く変わりません。

 「すべての事業の基礎は、財務と人材だと思います。今のコンサドーレは経営状況が厳しい中で、実績があり力量の計算できる選手を獲得できず、従って勝てない、観客が離れる、収入が落ちるという悪循環に陥っているようにみえます。

 しかし、ここが踏ん張りどころではないでしょうか。昨年1年間、柳下監督の考えを理解した選手たちが、今後も厳しい練習を重ね、成績が伴うようになれば観客も戻り、スポンサーも増えるのではないでしょうか。

 収入が増えれば、選手の年俸も上げることができ、やる気も高まります。補強の選択の幅も広がるし、成績が上がってJ1に復帰、定着となると思います。

 選手も監督も、今年をその転機の年にしてほしい。多くのサポーターも、再度の輝きを期待して開幕を指折り待っています。」



 
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1.15 鹿児島

2007-01-20 20:51:05 | Weblog
 マラソンを終えて、砂むし会館「砂楽」で入浴後、打ち上げ。

 その日は、鹿児島まで移動する。

 新幹線の終着「鹿児島中央駅」(写真)、大きな駅で、屋上に観覧車まであってびっくり。

 1.15 昼の飛行機まで少し時間があり、城山へ登る。

 鹿児島(薩摩)は、西郷隆盛と大久保利通にちなむ遺跡があちらこちらに。

 タクシーの運転手さんが、維新の立役者である下級武士たちが生まれた辺りを回ってくれる。その近くで、現在は繁華街のど真ん中が、旧島津家のお屋敷跡地。

 今でも「島津の殿様」は、たくさんの会社を経営していて、タクシー会社やゴルフ場や土建業などで力を持っているのだそうだ。

 本州の人々は、その土地で、近代以前からの長い歴史と濃密な人間関係を重ねながら、生活をしているように感じた。

 「豊かなしがらみ」を選ぶか、北海道のような「自由な貧しさ」を選ぶか。
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2007 第26回 いぶすき菜の花マラソン

2007-01-18 19:47:19 | Weblog
 坂の勾配はきついものの、何とか30kmまで5kmスプリットは、イーブンで来れた。気温が上がり(13℃位)、直射日光をまともに受けると汗が噴出す。しかし、日陰に入ると風が冷たい。

 徐々に歩く人が増える。登り坂を、何とか走り続けるが、歩いている人とスピードが変わらない感じ。残り4km位からゴールの指宿市営陸上競技場裏の山が見えてくるが、走っても走っても中々近づかない。(この崖の斜面が見えるのです。)

 突然、ふくらはぎに小さな痙攣が起きる。変な力を加えると完全につってしまう。給水ポイントで、コップの水を掛け足を冷やす。休もうにも、沿道にたくさん応援がいて、手抜きができない。

 着いたら、何を食べようかな、鹿児島の名物は何だったっけ。砂蒸しにも入りたい。

 最後の1km、1kmが長く感じる。ようやく競技場に。ラストスパートの余力もない。ついに、完走、完走。小さな達成感。良く、クロスカントリーのようなコースを走りきったと自己満足。

 

 この大会は、とてもフレンドリー。関係者の方々、ボランティアの方々、沿道で応援していただいた方々、本当に力になりました。感謝、感謝です。

 指宿がとっても好きになりました。



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完走できるか、菜の花マラソン

2007-01-17 19:55:47 | Weblog
 9時ジャスト。1万2千人が細い道で同時にスタートするが、渋滞発生で中々前に進まない。しかし、ウォーミングアップの手抜きでスタミナを温存する作戦の私にとって、このゆっくりがいいアップになる。

 少し、進むといきなり上り坂、これが始まりだったと気付くのは後になってから。積雪寒冷地の道路と構造が全く違う。北海道では、凍結路面のスリップを考慮して、道路はできる限り平らにつくるものと思っていたが、鹿児島では、地形なりに道路を敷いていくだけ、そして山も急峻な斜面のため、信じられないような急勾配の道路が連続する、それもゴールまで。

 上り坂は、細かく細かく足を前に出し、決してストライドで路面を蹴って足を使ってしまわないように、また急な下り坂は、楽だからと調子に乗って走ると後で腿の痙攣などの原因になるため、足を着地した時にブレーキにならないように、玉乗りの玉を転がすように心がける。

 12km付近、池田湖という湖があり、菜の花が満開。(写真は、西日本新聞より)

 行けども、行けども平らな道のないコースが続く。20km位からは、開聞岳の麓を走る。小学生の頃、等高線の勉強をした山だなと。教科書のとおり、きれいな円錐形をしている。

 コースの途中には、地元の方たちが、豚汁、ミニトマト、黒砂糖、飴、特産のソラマメを使ったスープ、ぜんざい、お汁粉、アンズの砂糖付け?・・・のもてなし。ありがとう、感謝、感謝。一応、一通りの味見をする。

 中間点を通過して、ゆっくりペースで走っているせいか、余力は未だ残っているぞ。でも、マラソンは、30kmから。この先には、地獄が待っているかも知れない。



 
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菜の花マラソンスタート

2007-01-16 22:38:18 | Weblog
 1.13 九州初上陸、植生が違う。日中気温13℃、札幌の10月下旬から11月上旬、久しぶりにアスファルトの上を走れる。

 指宿到着後、16時から開会式、北海道からの参加ということで、遠来賞受賞、ステージ上に上がり、県会議員から記念品をいただく。こりゃ、明日は少しがんばらなければという気持ちになる。

 札幌の日没は、16時25分なのに、指宿は、17時38分と随分と昼が長い。

 1.12 鹿児島湾からの日の出。7時38分とこちらより20分位遅い。

 朝の気温は、4℃位、海からの風が冷たい。九州も冬なのだ。

 さて、何を着て走ろうか。ランシャツ、ランパンはちょっと無謀かな。色々考えた結果、長袖シャツにランニング、タイツにランパン、そして手袋。完全に寒冷地仕様。結果的にはこれが良かったのであるが。

 全参加者1万4千人、フルマラソン1万2千人。参加者、家族、大会関係者、ボランティア、駐車場は車・車の列。

 スタートラインに並ぶ。位置は十分で選ぶことができ、自己申告タイムで列に並ぶ。私は渋滞が予想されるため3時間のところに。チョット実力よりも見栄を張りすぎ。
 いよいよスタート。気負わず「今日は楽しもう」と心に誓う。



 

 
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いぶすき菜の花マラソン

2007-01-12 20:50:21 | Weblog
 いぶすき菜の花マラソンに参加します。14日9:00スタートのフルマラソン。
 
 体調を崩し走りこみ不足ですが、今回は「楽しんで走る」をモットーに、今持っている力を全部使って走ろうと思います。

 この靴とこの体が私に付き合ってくれます。




 明朝、出発です。
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北海道知事選挙

2007-01-11 20:33:52 | Weblog
 業務終了後体育館で軽くランニング。徐々にアップして、体を全開に回す快感。一汗掻いた後の爽快感は、体にも心にも沁みる。



 道知事選に臨んで日共が、大衆団体「明るい革新道政をつくる会」から候補を擁立できず、党内から宮内某を候補者にした。(宮内に対する疑義は既に書きました。)

 このことは、つくる会からの推薦に応じる人材が党及び周辺からいなくなったということなのだろう。負け戦の可能性が強くても私利を捨て犠牲的精神で受けるような候補者がいないという事実が明らかになった。

 また、宮内候補の出馬への戦略が全くないということも明白になった。本来は民主党の候補との違いを際立たせるためには、出馬宣言の前に民主党の荒井某に揺さぶりをかけるべきである。

 例えば、憲法改定に反対するかどうかの質問をすべきである。荒井が、憲法改定に反対できなければ、それを大きく宣伝してから出馬するのが順序であろう。党内に知将と呼ばれる戦略家もいないと言うことも透けて見えてくる。

 さらに、札幌市長選挙の候補はどうするのか。知事選挙を戦うのであれば、当然札幌市長選挙も候補者を立てるべきであろう。そうでなければ、道都において、選挙運動が成り立たなくなるであろう。「知事は宮内、市長は上田」で行くのか。

 上田は評価できるが、荒井ではダメという決定的な理由が何かあるのか。札幌市長選挙への臨み方を注視していきたい。





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教育の可能性

2007-01-07 21:26:07 | Weblog
 教育基本法が改定され、国や郷土を理由も無く愛さなければならなくなる若者達が可愛そうであり、教育の将来への不安感が増している中、以下の小論を読み、確かな可能性が見えた。

 愛知大学の別所興一氏が、「どうせ学んだって自分の人生は変わらない」「単位取得のための最小限の勉強だけしよう」という、今の若者たちの「学び」に対するシニシズムを打開するために、

 ①学ぶことで、自分を変えることができ、社会・歴史を変えることができるという確信を生徒に持たせる。

 ②生徒達の常識・通年を揺さぶり、世界についての見方を変えたり、自ら学ぶ喜びを発見したりする授業場面を設定する。

 ③階層や国家の違いを超えて、競争に勝たなくても人間らしく生きていける論理を構築すること。経済力競争のトップに立たなくても人間的な豊かさが実感できる方法を考案する。

 などと、提唱している。

 

 小学校5年生の時の担任の東海林先生、当時北教組(非主流派)の活動家で、思春期前の私の価値観の形成に大きな影響を与えてくれた恩師の考えを思い出しました。(なお、当時の主流派は、社会党系)
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旧千歳線上野幌駅

2007-01-06 16:29:03 | Weblog
 午後から天候が崩れるとのことで、午前中にランニング。

 途中、旧千歳線上野幌駅跡を通る。1973.9.9に千歳線が切り替えられ、それまでは、苗穂ー東札幌ー月寒ー大谷地ー上野幌だったのが、現在の苗穂ー白石ー平和ー新札幌ー上野幌のなったのだそうだ。

 現在、旧千歳線は、東札幌ー上野幌間が白石サイクリングロード、上野幌ー北広島間がエルフィンロードとなっていて、私の練習コースです。



 知人から賀状が届き、コメントに『宣伝相ゲッペルスは、「ナチスドイツ」は、正当な選挙を通じて政権を国民から託された。この政権に責任を負うのは国民である。けだし、名言です。危機は、音を立てているように思います。』と。

 「大衆が選んだ結果なのだから仕方ない」と捉えるのか、「大衆は遅れているのだから前衛がリードしなければならない」と考えるのか。

 「選挙で世の中変わるわけが無い」と考える私は、選挙運動及びその結果、議会における活動のみならず、大衆運動が必要と考える。



 選挙運動を唯一最大の政治活動としている日共の、その本気度が近頃怪しい。

 例えば、北海道知事選挙の候補者に、宮内某なる名前が浮上している。このお坊ちゃん、実社会で働いた経験が皆無でしょう。民青の活動家上がりで党には忠実でしょうが、本当の社会で、労働者が日々何を考え、どんな生活をしているか、実感があるのでしょうか。

 以前は、弁護士、教師、医者、学者など多士済々の候補者を揃えていたが、人材難なのか、党専従を議員にしないと食わすことができないのか。

 どんなに口当たりの良い政策を並べても、労働者の党を掲げても(降ろしたかも)、貧しい者の党と言っても、大衆は見抜いています。どうせやるなら候補者を厳選しろと言いたい。




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休日の風景

2007-01-05 14:42:37 | Weblog
 真冬なのに季節外れの陽気で、もう体がじっとしていられません。

 近くを軽めのランニング。

 丘を登って、下界を見れば、平和な景色が続く。そこに、人々の暮らしがある。


 大きな声の出ない総理にとって、「美しい国」づくり、イコール、教育基本法改定、防衛省改名、国民投票法そして憲法改定、残業規制を無くして過労死を推進する規制緩和・・・。私にとっては、どこがどう美しいのか理解不能です。

 でも、この総理、暮れのインタビューで、「今年を一字で表すと?」と問われて、「責任!」と答えていましたから、やはり私には彼を理解することはできません。


 こんなことに、腹を立てるより、自分に欠落している、詩や音楽、風景や人の感情を理解できるような感性を養うことを今年のテーマにしようかな。




『興行師たちの映画史 エクスプロテーション・フィルム全史』(柳下毅一郎著 青土社 2003年刊)を図書館より借りて読む。(全くの駄本であった。)

 映画作者が何かを訴えようとして作るのではなく、観客が興味本位で見たいものを作るのが、エクスプロテーション(観客からお金を搾取するという意味)映画。

 従って、テーマには、見世物、魔術、残酷、恐怖、奇形、セックス、人種などといかがわしさが漂うことになる。

 日本の例では、大蔵映画や若松孝二が否定的に描かれ、ただ一人、渡邊文樹という無名の作家のみが評価されている。渡邊は無名だが、『腹腹時計』を巡回公演していると言えば、少しわかる人がいるかも知れない。





 
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走り初め

2007-01-03 17:48:43 | Weblog
 2007年走り初め、気温2℃位、日差しも強く、積雪もなし、絶好のランニング日和。
 地下鉄白石駅付近の環状線を越える歩道橋より、目的地JRタワーを微かに望む。

 大晦日と同じコースながら、所要時間2時間15分と5分短縮。気管支炎の後遺症から少し体が絞れてきたような気がする。



 『ラブシーンの言葉』(荒川洋治著 四月社 2005年刊)

 荒川洋治氏は、TBS系ラジオ「日本全国8時です」に毎週火曜日のゲストとして出演している。

 幼少の頃に、日本文学全集を読破したとかで天才、含蓄ある話題、言葉へのこだわりなどから、興味を持った詩人。

 このエッセイは、「性のいとなみ」がテーマで、各種書物の中で、そのシーンだけを抽出、それに荒川氏の人柄を反映したウィットに富んだコメントが付いている。

 1本のエッセイに平均3本の作品が選ばれており、約50本のエッセイの中には、150作品のラブシーンが紹介されている。

 途中、少し食傷気味にはなるが、男と女の関係は、一言で言うと、記憶と忘却の繰り返し、深い深い喜びが横たわっている。



 





 
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『日本経済を問う』

2007-01-02 20:32:55 | Weblog
 『日本経済を問う 誤った理論は誤った政策を導く』(伊東光晴著 岩波書店 2006年刊)

 日本経済をわかりやすく解説しているが、俗論とは一線を画している。果たして、実社会の実感と比べて、伊東氏の分析はどうだろうか。

 現在の好景気の要因は、
 ①企業のリストラの効果(人件費のカット、借入金の返済による支払い利子の削減、広告費の圧縮など)。(企業は好調だが、働くものへの見返りは少ないとの実感。)
 ②対中国を中心とする輸出の増加によるもの。
 ③消費需要によるものではない。

 バブル経済崩壊後、「失われた20年」におけるこの国がとってきた経済政策の誤りとして、
 ①減税(個人所得に対する定率減税、はじめは恒久的減税といっていたがいつのまにか改名)は、貯蓄に回り、消費支出の増加に繋がらない。不況対策にはならない。(減税も、無くなって改めて税負担を実感)
 ②低金利政策:ローン購入の少ない日本では、需要拡大に寄与しない。低金利は、借り手の企業の金利負担が軽減されるが、貯金をしている家計、とりわけ高齢者の家計の所得減に。

 低金利により、国債の金利負担が少ないため、安易な国債の発行、そして安易な減税、その結果、巨額の国債残高に。

 そして、「失われた20年」の帰結は、
 ①財政破綻:その主因は、不況による税収減、減税、社会保障費の増加のためであり、公共投資の影響は僅かである。
 ②不平等の進行:所得税の累進を弱めた(最高税率1986年70%が、37%に)結果、再分配機能は税によらず、社会保障(福祉扶助)によることに。

 伊東氏の提言:付加価値税(所得に比例する税)で、社会保障支出に廻せば、再分配効果が発揮できる。現に、年金掛金、健康保険料は所得に応じて拠出している。付加価値税による負担か、社旗保険料の引き上げによる負担か、選択の時である。

 ③所得格差の拡大:非正規雇用の急増(特に若者)、その原因は、規制緩和、労働者派遣法の改変。(正社員の減、非正規の増加は、実感するところであり、会社の存続のため自らもそれに手を貸している。)

 伊東氏の提言:高齢社会を迎え、年金、健康保険、介護保険が破綻する。解決方法は、増税しかない。消費税10%、そして、社会保険料を抑制へ。
 しかし、政治家は、選挙を意識して、増税を言い出せない。付加価値税に反対する「革新」政党は、欧米には無い。



 人気取りのための安易な減税は止め、高齢社会への社会保障費の財源として、消費税(付加価値税)の増税しか道はないのだろうか。税で負担するか、社会保険料で天引きされるか。いずれにしても、必要な掛かる費用なのだから。

 もうひとつ別の、オルタナティブな道を求めたい。
 

 

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初日の出

2007-01-01 16:16:41 | Weblog
 我が家の北東側の窓からの初日の出です。

 2007.1.1は、穏やかに明け、雪は少なく、気温も暖かです。

 このブログを試行して、9ヶ月が経過しました。
 どれ位の方が読んでいるのかはわかりませんが、自分自身のためにはなっているような気がしています。

 自分の頭で考え、自分の言葉で表現しようと心がけていますが、中々難しいのも事実です。

 このところ、すっかりお気に入りの言葉ですが、「人は、今持っている力で、全力で生きる以外に無い。」(浜田寿美男氏)

 「人」には、どんな人も例外なく含まれ、「持っている力」には、マイナスの能力、ハンディキャップを持つ人も入るのでしょう。



 もうしばらく継続しようと思っています。

 少しの改良として、写真を入れてみました。

  

 

     
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