晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『昭和史最大のスパイ・M』

2006-12-05 20:09:01 | Weblog
 『昭和史最大のスパイ・M』(小林峻一、鈴木隆一著 WAC 2006年)
 副題は、日本共産党を壊滅させた男である。

 一言で言うと駄本である。どうしてこんな本を買ってしまったのか。

 戦前の日共の歴史を描いたものでは、立花隆「日本共産党の研究」や松本清張「昭和史発掘」があり、これらの方が断然いい。

 日共は、結党80年の一貫した歴史を誇るが、戦前、戦後を通して数々の過ちを犯してきている。これらを含めた80年なのだろうか。

 戦前の非合法下において、人が人を信じられず、「スパイ」とか「謀略」とかといった言葉が日常化している組織。「革命」の大義の元であれば、銀行強盗も正当化される組織。

 さて、現在の党はどうなのでしょうか。戦前からの歴史と共に、その体質も継承されているのではないか。一般社会では使うことの無い「スパイ」なる言葉を日常的に使っていないか。

 この党の関係者の最大の病理は、主観と客観の転倒である。こうあらねばならないという思いと、今はこういう状態にあるということの区別ができない、客観的に物事を判断できない。科学的社会主義を掲げているが、非科学的で主観的な認識しかできない。



●教訓:「平和」・「交通安全」・「健康」・・誰も反対できないスローガンを声高に叫ぶ奴を信用してはいけない。

●教訓:無目的な健康志向ほど不健康なものはない。





 

 

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6 コメント

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所感派 (ブラックソルジャー)
2006-12-06 20:37:31
1955年六全協において、武装闘争放棄を決議したことが、自称『前衛』の終焉の始まりでした。

1952年破壊活動防止法の制定にヒヨッタとしか思えません。

自称『前衛』は、山村工作隊、中核自衛隊の非公然組織の活動家に思想的「粛清」を行いました。

徳田球一らの所感派に対し国際派の宮本、志賀、書記長の野坂らが権力を奪いました。

自称『前衛』の周年で発刊する真実を書けない党史には、所感派は自称『前衛』本体とは関係ないと書かれているのでしょうね。

六全協において「議会闘争」にヒヨッタことで、唯一つ良いことがありました。
それは反代々木の「法螺」で共産主義者同盟結成の契機となったことです。

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後方支援 (晴走雨読)
2006-12-10 16:18:29
 日共の歴史については、数々の暗部があり、現執行部もほっかぶりしています。

 1950年頃からの、武装闘争方針は、コミンテルンからの指示に基づき、朝鮮戦争の後方支援であったと思われます。

 

 

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無知ですみません・・・ (へんじん)
2006-12-10 19:48:58
あの・・・
この『党』は悪い人たちの集まりなのでしょうか?

私が大変お世話になった方が、この党のお手伝いをしていました。(熱心な党員というわけではないようでしたが)また、その方の尊敬する方もとても人柄のよいすばらしい人でした。小さな地方の田舎町で酸素ボンベを背負いながら、死の間際まで世の弱者のためにお仕事をされていらっしゃいました。

でも、実は極悪党の手先だったんですかね・・・。
私は幼い時から悪い大人をみて育ったんでしょうか。
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「へんじん」さんへ (ブラックソルジャー)
2006-12-11 21:03:55
人間性と思想とは別物と考えています。

例えば、人間性から出てくる弱者に対しての見方、考え方、接し方、支援の仕方などは、個人によって千差万別です。
弱者に対する感性が、思想を獲得する契機となり、党派性に到ると考えることができます。
ですから、党を批判することと党員の人間性を評価することは何ら齟齬しません。

米国では、大統領が与党の賛成議員の数だけでは法案が成立しないと判断したら、野党の議員に働きかけをします。その結果成立したり、断念したりします。
党において、多数決の原理における少数意見が明確に尊重されています。
ここに民主主義の基本があると考えます。

(復党でマスコミが賑やかでしたが、与野党の党議拘束は、民主主義を破壊しています。)

この党は、無謬性(党は絶対正しい。)、民主集中制(党の決定に党員は無条件に実行。)のもと、前衛はいつも正しい、そのために自らの誤りを糊塗したり、多種多様な意見を抹殺します。また、守るべき党員を見放します、党を守るために。

私は、人間の解放を標榜する党が、このような有様であることを批判しています。

「へんじん」さんの言われる方は、きっと人間的魅力に溢れており皆から慕われている方だと思います。

長々と書いてきましたが、結論として

「あなたは人間的魅力に溢れており好きだが、あなたの支持している政党は非人間的で嫌いだ。」となります。「へんじん」さんの言われる先方も、この点は充分に認識していると考えます。
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前衛党 (晴走雨読)
2006-12-11 21:05:53
 へんじんさんへ

 私の周りの現在の党関係者も個人としては真面目でいわゆる良い人ばかりです。

 でも、前衛党と称するなら、革命政党を名乗るなら最低限示さなければならないことがあります。
 それは、制度の小さな矛盾を指摘したり、あげつらったりすることではなく、来るべき社会の姿を考え、それに到る展望を示すことです。

 数々の誤りとは、そのような戦略上のことであり、そのためにこの党の関係者が多数傷ついたり、党を離れたりしています。

 へんじんさんに質問します。

 お世話好きでいい方たちばかりで正しい方針を示している党なのに、どうして、いつまでたっても選挙で議席が増えないのでしょうか。

 それは、投票しない国民が馬鹿だからでしょうか。






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Unknown (へんじん)
2006-12-13 21:50:41
ブラックソルジャーさん、理解しやすいように解説していただき、ありがとうございました。

雨読さんの質問について
「国民が馬鹿だから」とは微塵も思っていません。

今回、お二人に説明していただいてよくわかりました。
この党の思想の問題点を私なりに勉強します。

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