私はTie forward 手術に併せて軟口蓋の焼烙も行っている。
これは、軟口蓋を厚く固くすることでDDSPを起こしにくくすることを期待している。
今までは内視鏡を通した高周波焼烙器のスネアを軟口蓋に接触させて行ってきた。
しかし、スネアが軟口蓋に焦げ付いたり、出血したりすることがあった。
高周波焼烙では、プラズマ放電が起こるので接触部位の温度は1000度を超えてしまうのだ そうだ。
今回は、ダイオードレーザーを用いて焼烙した。
非接触用のファイバーの先にはレンズが付いていて、レーザー光を集束させて焼烙することができる。
(右写真は焼烙前。仰臥なので軟口蓋が上。白いのは照射前のレーザーの照準。)
まさに光線銃。
出力20Wで焦げない程度の焼烙ができた。
高周波ほど高温になっていないので、術後の疼痛も少ないはずだ。
報告では2本の糸かワイヤーで引っ張っているが、私は4本に増やしている。
軟骨へかかる力も分散される利点があると考えている。
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レーザーにはCO2レーザー、YAGレーザー、などあるが、
最近はダイオードレーザーの高性能化が進み主流になりつつあるようだ。
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今日午前中はTieback&Ventriculocordectomy。
声嚢声帯切除は、全身麻酔下でレーザーで皮膚切開、喉頭切開、声嚢・声帯切除した。
出血が少なく良い感じ。
半導体レーザーといえば学生時代に大学にあった温かくなることすらない
レーザー治療器のようなものだと思ってました。進歩ですね。
電気メスが電流が通ればのべつ幕無しに焼けるのと違い、
レーザーは光を吸収した物体が発熱するのが肝なのだろうと思います。
つまり組織が焼ける前に凝血が起きる物と思います。
他愛もないですが乳頭腫や腫瘍の血流を止めて壊死させるという使い方は出来ないでしょうか。
さらにメラノーマ等は組織自体が焼けて手早く落とせそうな気がするのですが。
半導体レーザーの時代のようです。
腫瘍の摘出にはぜひ使ってみたいと思っています。パピローマなどはメスで切ると出血するし、鉗子で摘み取ると痛いので放置されていますが、レーザーでは痛みも出血も少なく切除できるようです。