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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

牛の全身麻酔

2012-04-13 | 牛、ウシ、丑

P4111958 この6ヶ月齢の黒毛和種子牛も骨柩症。

後肢を怪我して、傷はなんとなく治まったが、1ヶ月しても跛行が治らない。

太り方や成長もいまいちとのこと。

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牛はキシラジンが良く効き、キシラジン投与だけで寝かすことができるし、「麻酔」ということになっている。

しかし、痛いことをするときには肢を縛りつけておかないと暴れるし、鳴く。

キシラジンを追加投与を繰り返したり、多量投与すると嘔吐して誤嚥することもある。

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肢を触る痛い手術なので、牛用のトリプルドリップ(GGE、ケタミン、キシラジン)を点滴している。

誤嚥しないように気管チューブも挿管している。

心電図モニターも付けている。

肢をバタつかせることはなかった。

それでもずっと耳をパタパタしてタップしていた(格闘技ファンにはわかる;笑)。

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キシラジンを投与するだけが「麻酔」ではない。

静脈注射と変わらない保険点数にしていては牛の外科治療技術は発展しないだろう。

「麻酔事故」はどうなんでしょう?

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汚れた軍手で目を覆ったのは飼い主さんで、私ではありません;笑。

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今日は、

競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。

1歳馬の橈骨の骨嚢胞のx線撮影と関節注射。

当歳馬の肢軸異常のスクリュー抜去。

競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。

入院馬の治療。

ゆうべ当番チームは完(全)徹(夜)とのこと・・・・・・