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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

馬ライフ 2023年2月号

2023-02-04 | How to 馬医者修行

なんと!

馬ライフ2023年2月号は馬の獣医師特集。

知った顔がいくつも!;笑

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乗馬の雑誌なので、競馬場や生産地の馬獣医師は出てこないが、北海道の馬臨床のレベルが高いことがかいま見える。

かっこよく写ってるじゃないの!

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今日は、

黒毛和種5ヶ月齢の臍ヘルニア、同じ農場から2頭。

手術台に載せて、吸入麻酔で手術した。

ヘルニア輪はしっかりしていて、化膿の痕もなく、特に難しさは感じなかった。

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昼、分娩後1週間の繁殖雌馬が疝痛で来院。

私は、血液検査業務で馬も診なかった。

落ち着いて帰っていった。

午後、2歳馬のADAF(披裂喉頭蓋ヒダ軸側変位)と声帯虚脱の手術。

 

 

 


正月の激しいトレーニング2023

2023-01-05 | How to 馬医者修行

私は大晦日から休み。

もう大掃除をする気力もない。

高いところを掃除などして怪我でもしたら病院もやっていないだろう。

子供たちも帰ってきていて、昼から、おせち。

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元旦からはスキーにでかけた。

スキー3名、スノボ3名だけど。

スキー・スノボはとても激しいトレーニングになる。

真冬に何時間も外で活動するなんて、ほとんどない。

スキー・スノボは激しい筋トレでもある。よほど回数行ってないと全身筋肉痛になる。

耐寒訓練にもなり、雪の中で動く経験も積める。

北国で生きていくための知識にもなる。

私はまだスノボだと4時間も滑れない。

トレーニングが必要だ。

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そんな正月でした。

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

 

 

 


診療実績2021 外傷 そして、Qatar2022 Wcup

2022-11-23 | How to 馬医者修行

2021診療実績。

外傷縫合は、全静脈麻酔TIVAで6頭。意外に少ない。

その他の静脈麻酔で9頭。

無麻酔で35頭。

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これには、強力な鎮静剤が使えるようになったこと。

神経ブロックの技術が良くなったこと。で、立位で縫合できるようになったおかげかもしれない。

部位や程度が悪い外傷は縫合しても癒合しないので、癒合させるのをあきらめながら処置している症例もある。

逆に、完璧にデブリドして、丁寧に縫合すれば一期癒合が期待できるなら吸入麻酔してでも処置すべきかもしれない。

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2019年にくらべて、2021年の外傷縫合の症例は、2/3ほど。

たまたまか、

あるいは、往診に回っている獣医師の都合に左右されているのかもしれない。

7割が立位での処置だからね。

ただ、wounds management は馬医者の必須かつ重要技術だと思っている。

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Qatar 2022 World Cup が始まっちまった。

季節はずれのせいか、

歳のせいか、

日本代表のサッカーの質や代表選手のせいか、

あんまり個人的には盛り上がりはなかったのだが、始まってしまったら無関心ではいられない。

脚が痙攣し、数万人が見守る中で立ち上がることさえできずに倒れこむ。

一生後悔が残るほどの失敗に頭を抱える。

その姿に自分を問う。

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ウクライナの戦争は厳寒へ向かう中で続いているし、

イランでは反政府デモが続いていて、イラン代表は国家を歌わなかった。

Qatar開催で開催されたこと自体にも大きな批判と抵抗があるようだ。

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九州旅行の最終日、かつて「漢委奴国王」と刻まれた金印が見つかったという半島の先端を訪れた。

福岡の向こうは、大陸であり、朝鮮、そして中国なんだな、と実感した。

石碑があった。

訳文だけ張っておく。

 

 

          

 

 


家畜高度医療センター研修 2022

2022-11-07 | How to 馬医者修行

きのうは、地元NOSAIの若手の先生が集まってセンター研修。

講義して、

実馬を使って実習。

神経ブロック、疝痛診断のための直腸検査、超音波検査、胃チューブ挿入、眼科手技、その他。

一次診療の先生たちの知識が増え、判断・診断が適確になり、術後治療レベルが向上することで、二次診療の内容も向上していく。

期待してるよ。

あいまに、上腕骨骨折粉砕の当歳馬の剖検。

Rhodococcus感染症の当歳馬の剖検。

研修が終わってから、黒毛和種子牛の脛骨近位骨幹端粉砕骨折のプレート固定手術。

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大分から阿蘇へ抜けるやまなみハイウェイ(実際は曲がりくねった県道)の途中に日本一の吊橋がある。

深く広い渓谷に渡された人だけが通れる吊り橋。

景観はすばらしい。

約20億かかったのだそうだ。

国や県の補助金はなし! それは立派なことだ。

入場料をとっているが、それだけでは採算はとれないだろう。

(2021年に入場者1,200万人達成。掛け算だと入場料・・・・60億!)

周辺への経済効果も相当あるだろうと思う。

維持していけるのか?老朽化したらどうする?

まあ、”夢”だからね;笑

 

 

 


繁殖雌馬の慢性跛行 What’s your diagnosis ?

2022-10-31 | How to 馬医者修行

慢性の後肢跛行が続いている繁殖雌馬。

一時よりは落ち着いたようだが、はっきりわかる跛行。

血液検査でSAAが高く急性炎症像が認められていたが、SAAは正常値近くまで下がったそうだ。

当初は飛節周りが腫れたそうだ。

腫れは下がったがまだ残っている。

X線撮影してみて・・・

おや?脛骨の遠位に透過亢進部がある。

角度を変えて撮っても骨の中に写るので、骨の中心部に透過亢進部はあるようだ。

よく観ると中足骨近位にも透過亢進部があった。

コントラストを強くするとはっきりする。

何だ?

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獣医師3人勤務の診療センターで働いていた頃は、連休をとることはほとんどなかった。

4人勤務になった頃には忙しく、3連休するのは夏休みか正月休みくらい。

今は5人勤務になり、週休二日制になり、おまけにコロナ禍で出張も少ないので休みを取りやすい。

それで・・・

地獄、を観て来た;笑