FMで聞いた曲


LEICA X1

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FM放送で音楽を聞いていて、おっこれいい曲だな・・と思うことがよくある。
放送された時間を覚えておいて、後からネットで曲名を調べ、アマゾンに注文する。

ところが届いたCDを聞いてみると、全然よくないのだこれが・・・(笑)
はて、こんなものだったか?・・とがっがりする。
かくして、一回聞いたきり二度と聞かなくなったCDが、山のように積まれることとなる。

FMで聞いた時は、歌詞に共感を覚えたのに、あらためて聞いてみると、共感はおろか不愉快にさえ感じる(笑)
どうしてこんなにイメージが変わってしまうのだろうと考えてみたが、理由がいくつか思い当たる。

まず音質の問題。
レンジが狭く独特の軽さを持つFM放送の音に比べて、CDの情報量の多い重量感のある音を聞くと、同じ曲でも大分印象が異なって聞こえ、面食らうことさえある。
FMの音は長年聞いているから、耳に馴染んだ心地よい音であることも確かで、CDだと音が良すぎてかえって重く感じる時もあるのだ。

次に放送番組という、特殊な条件の下で聞いているという事。
曲はあくまで番組の雰囲気を作り上げるための手段として使われる。
その空気に酔い、思わずいい曲だと感じてしまうのではないか。

また放送で様々な系統の曲を聞くのとは違い、一枚のアルバムを通して同じような曲を連続して聞くと、かえってその曲の良さがマスクされることも多い。
同じアーティストの声をずっと聞かされて、食傷気味になるのだ。
音楽というものは、その前後にかかる曲とも密接に関係しているということだ。

だが一番の理由は、多分聞く側の態度だろう。
一般の人は、音楽を生活の一部として取り込む。
作業や仕事をしながら、足でリズムを刻み、楽しみながら聞く。

ところがオーディオをやる人というのは、スピーカーと対峙して聞く癖が付いていて、つい大真面目に分析的に聞いてしまう。
音楽を聞くという行為が、ある種の苦行になっているのだ。
まあそれが楽しいのではあるが(笑)

FM放送にそこまで真剣なものを期待しておらず、軽く聞き流す程度なので、かえってリラックスしており、いつもと違う感じ方になっているのだ。
特に雨の日曜日の朝など、ブラインドの隙間からから淡い光の漏れ入る薄暗い部屋で、のんびりと聞くFMラジオから流れ出る音楽などは要注意だ。
何を聞いてもよく聞こえてしまう(笑)

今は学習して、いい曲だと思っても、よほど琴線に触れるものが無い限り、すぐに飛びついて購入するのは控えるようにしている。
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