弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

高橋洋一氏の予言

2010-09-04 13:33:45 | 歴史・社会
円高対策について、日銀は8月9、10日の金融政策決定会合では何もアクションをとらず、8月23日に予定されていた管総理と白川日銀総裁との会談は中止されて電話会談に終わりました。ところがその後、8月30日に日銀は臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和策を決めました。あわせて、政府は30日の経済関係閣僚委員会で、雇用対策や消費拡大などを柱とする追加経済対策の基本方針を決定しました。

高橋洋一氏は30日のコラムで、「これらすべて私が予言してきたとおりだ」と述べています。財政諮問会議を復活させ、政府・日銀はこの秘策で円高に挑め~予備費や新型オペの拡大では効果がない
2010年08月30日(月) 高橋 洋一
『筆者は、ここ2回のこのコラムで円高の警報を発してきた。
8月9日のコラムでは、同月10日に行われる日米金融政策で、日銀は無策だがFRB(米国連邦準備理事会)は事実上の金融緩和となって円高が加速されることを、8月23日のコラムでは、政治状況から31日ごろに政府・日銀の経済対策が出されることを指摘した。
いずれもそのとおりになった。日本の株価は円高パンチで米国より幾分下げ幅が大きいが、何もインサイダー情報があったわけでない。
9月1日告示、14日投票という民主党代表選という政治スケジュールから、政府・日銀の官僚機構が動かないことがわかれば合理的に推測できることだ。誰が政権のトップになるのかわからない段階で、官僚は保身に走り、一方に肩入れしないのである。』

そこで確認してみました。
無策の日銀「金融政策決定会合」直後に始まる「強烈円高」の可能性~政治家も日銀も動かない日本の為替が狙われる
2010年08月09日(月) 高橋 洋一
『9日と10日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。
しかし、日銀は、9月の民主党代表選の様子見で、今の時点で行うべき金融政策をやらないだろう。この時点で何か行っても、民主党代表が誰かによってさらに追加策を求められるかもしれないので、その時に備えて「弾」をとっておくというスタンスだ。マーケット関係者やマスコミもそうみている。』

ピンボケした「デフレ政策論争」は民主党代表選で決着をつければどうか~菅・白川会談「見送り」が中央銀行の独立維持のため?
2010年08月23日(月) 高橋 洋一
『来週の31日前後に、デフレ・円高対策を打ち出すかもしれないのだ。
しかし、いまのところその内容は、政府のほうからは、エコポイントの延長、中小企業関係の低利融資、その他の環境関連小規模減税程度である。なにしろ予備費と剰余金というが、補正ではせいぜい1兆円程度しか財源がない。
日銀は、新型オペの規模拡大程度である。金融政策でバランスシートを20兆円以上拡大すれば、デフレのギアバックになるだろうが、今のところ、そこまで日銀は踏み込む予定はない。
政府と日銀が打ち出す対策で、多少目先は円高傾向は緩和されるだろうが、デフレ脱却までには道遠しである。』

たしかに高橋氏が述べているとおりですね。23日のコラムでは、政府・日銀が打ち出す円高対策の内容までしっかり予言できているようです。

高橋氏が予言できているということは、市場もそして諸外国も、日本の政府と日銀がとるであろう対策については予め完全に読まれているということになるのでしょうか。


予言ついでに、高橋洋一氏がどのような提言をしているのかについても見ておきましょう(8月30日高橋氏コラム2ページ)。
『今報道されているような経済対策では、申し訳ないが、とても及第点はあげられない。
今年度予算の予備費9000億円を使って、雇用や中小企業対策、エコポイントの延長などがあがっているが、マクロ効果無視で自省の利益追求のいつもの霞ヶ関定番の予算ぶんどりに過ぎない。
実は、今回の円高が、日米での金融政策の対応差から出てきたことを忘れてはいけない。
予備費は新規国債発行ではないので逆に円高を加速することはなりにくいが、円高対策にもならない。どうせ予備費を使うなら、新規国債発行の減額や、さらにマーケットにサプライズを与えるものとして、財務省による長期国債の買いオペを実施する手がある。こうした「金融対策」のほうが、直接円高に対応できる。
と同時に、財務省による為替介入についても、いつまでも口先だけですませず、実弾を撃つことも必要だ。そのために、各年度予算で介入枠を準備している。その場合、韓国ウォンなどの特定通貨に絞って行うことは効果的である。
これら財務省による長期国債買いオペや為替介入は、国会議決は不要で財務大臣の決断さえあれば実現できる。短期的には金融緩和と同じような効果になり、一時期円高を反転できる。そうしている間に、日銀による本格的な量的緩和を行えば、円高をギアバックできるだろう。
では本格的な金融緩和を実施するのか。報道されている日銀の対策は、新型オペの規模拡大や期間延長だが、すでにマーケットには織り込まれつつある。今の段階では、長期国債買い切りの増額など、日銀が自らのバランスシートを拡大させるかどうかがポイントになっている。』

『具体的には、まだ法律上生きている経済財政諮問会議を復活させればいい。そうすれば、自動的に総理、経済閣僚と日銀総裁が議論できる。民主党のメンツでできないなら別の会議をつくってもいい。
そこで、政府と日銀の共有目標として、2年以内に物価を2%程度にするということであれば、逆算して(FORWARD LOOKING)、現時点で、例えば数十兆円規模の量的緩和など、結果としてかなりの金融緩和措置が日銀に求められることになるだろう。』

おっ、経済財政諮問会議を復活との意見、実は私も発したことがあります。
7月17日の管政権はもはや死に体かで、「こんなことなら、経済財政諮問会議を用いて政治主導をめざした自民党政権の方がよっぽどましでした。今からでも遅くはありません。経済財政諮問会議の法律は生きているのでしょうから、こちらを復活させたらいかがでしょうか。」と書いたとおりです。

しかし、民主党政権は、「小泉-竹中路線については何でも反対」という態度ですから、絶対に実現しないでしょうね。この態度のおかげで良いものもすべて捨て去られてしまいました。
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