弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

男と女の生産性

2006-06-11 00:43:02 | 歴史・社会
6月5日日経新聞夕刊に、総合研究大学院大学教授の長谷川眞理子先生が書かれたコラム「男と女の生産性」が載っていました。

森林やサバンナなどで狩猟採集生活を送る人々を観察し、狩猟と採集についての生産性が年齢とどのような関係を有しているのかについて調査した結果があるそうです。

[狩猟は男性の仕事]
一人の男性が一日に獲ってくる獲物の量は、十代後半から二十代前半に急激に増加し、三十代でピークを迎え、45歳を過ぎると急激に落ちる。

[植物性食物の採集は女性の仕事]
思春期にそれほど急激に生産性が高まるわけではないが、以後もずっと伸び続ける。ピークは45歳から65歳。

とてもおもしろいデータなので、忘れないようにここに記録しておきます。

上記観察結果について、長谷川先生は「男と女の生産性の違い」という観点で把握されます。

そして長谷川先生ご自身の経験則として、
「以前から学生を見ていて、男子学生は、二十代前半で何か見るべきところが見えないとその先も伸びないが、女子学生は、もっとずっと長く見ないとわからない、という気がしていた。この直感には、本当に根拠があるのかもしれない。」として、上記狩猟採集生活の生産性観察結果と結びつけられています。
現代日本の男女学生を観察した結果として、長谷川先生の観察結果もおもしろいデータです。

私は、狩猟採集民の生産性で見られた特徴は、男と女の違いというより、狩猟と採集の違いではないか、という気がします。採集を農耕と置き換えたらはっきりします。

[狩猟能力は、若者の時代にピークを迎え、中年になると急激に落ちる。][狩猟では老若関係なく、能力を有するものがリーダーになる。]
[農耕のスキルは、長年の経験が命である。若年で急激に力が伸びるということはなく、年功序列の世界である。]

狩猟民族/農耕民族としてよく議論される内容であり、何となく納得できる結論です。

狩猟採集民に関する上記観察結果の因果関係が、狩猟/採集の差なのか、男/女の差なのか、という点ですが、「男が採集をしている」種族を探して観察すれば結論が出るでしょうね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 弁理士試験制度(3) | トップ | 年齢・性別と人殺し比率の関係 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

歴史・社会」カテゴリの最新記事