弁理士の日々

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海外メディアが報じる衆院選

2009-08-12 20:12:30 | 歴史・社会
朝日新聞の8月4日朝刊には、「海外メディアが報じた今回の衆院解散・総選挙」という記事が載っています。
「『民主の外交は』気をもむ大使館」(地殻変動/09政権選択)という記事の中です。

日本の大手新聞が、記者クラブ制度にどっぷりとつかっているためか、官庁などに気兼ねして本音の記事が書かれているのかどうか心配です。それに比べると、海外メディアはそもそも日本の記者クラブに加入できないメディアも多く、記者クラブへの気兼ねがない分、本音が書かれている可能性があります。

そこで、この記事を記録しておくこととします。

《米ニューヨーク・タイムズ》
「(専門家の分析では)自民党は負けを覚悟したようだ。経験の乏しい民主党が失敗し、与党に返り咲くチャンスを待つことにした」

《英フィナンシャル・タイムズ》
「民主党は、膨大な国の借金を減らすと言いながら消費税についての決断は先送り。歴史的瞬間なのだろうが、(世界の)投資家にとってそうではない」

《仏フィガロ紙》
「高齢化に財政赤字。これら諸問題すべてを総選挙が解決できるわけではない。民主党は首相の批判だけで、まともな対案を出していないからだ」

《ロシア・ガゼータ紙》
「民主党は革命を夢見ている。政権奪取に成功すれば日本の議会史に新たなページを開く。自民党の麻生首相が野党勢力に完敗する確率が極めて高い」

《中国・新華社通信》
「政権交代の確率増大。異常な政局が生んだ異常な選挙日程だ。この日程では、『麻生おろし』の造反をするには十分な時間がなくなった」

《韓国・朝鮮日報》
「華麗な日本率いた54年間の政権党、経済危機・格差問題で長患い。自民党は社会に広がる『一度変えてみよう』という流れにお手上げ状態だ」


以下は私のひとりごとです。
民主党が政権党としての力量を持っているかというと、極めて疑問です。
その一方で、自民党の劣化が激しく、とても自民党に政権を担い続けて欲しいという気になりません。
何で自民党はこんなにも劣化してしまったのでしょうか。

近い所では、前回の衆院選(郵政選挙)の影響が上げられます。
小泉氏の「自民党をぶっ壊す」というスローガンで、自民党は前々回の衆院選を勝利しました。
そして前回の郵政選挙です。
自民党衆議院議員の中で郵政法案に反対した議員を公認から外し、さらには刺客まで送り込みました。公認から外された議員は、あるいは落選し、あるいは自民党から離脱して当選だけは果たしました。
それまでの自民党というのは、さまざまな意見の人たちが寄り集まり、それでいていざというときの結束は維持するという懐の深さを持っている政党でした。郵政法案についても、“全体の方向は民営化でいいが、今回の法案はこの点で問題がある”といった反対意見は当然にあるべきです。ところが郵政選挙では、このような反対意見の持ち主を一刀両断で切り捨ててしまったのです。
このときに切り捨てられた人たちの中に、自民党の明日を背負って立つべき人たちがいたような気がしてなりません。
まさに自民党は、小泉氏にぶっ壊されてしまったのでしょうか。

麻生首相という人が現在のような体たらくの中で、自民党の中にそれに代わる人材を見つけることができません。
安倍元首相が政権を放り出したときに、次の総裁として麻生氏がスタンバイしていました。ところがいざ総裁選を行ってみたら、麻生氏ではなく福田氏が選出されました。このときの印象としては、自民党内に“やはり麻生氏じゃダメだ”という雰囲気があったように思います。
ところがその福田首相も政権を投げ出します。1年前の自民党は“麻生氏はダメだ”と判断したはずなのに、このときは麻生氏を選出します。本当に人材が払拭していたのでしょうね。
見守る国民の側としても、本当にがっかりです。
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