弁理士の日々

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新型コロナで「情報汚染」?

2020-03-03 00:00:42 | 歴史・社会
新型コロナ対策については、わからないことが未だに多すぎます。

我が家で見るテレビ報道番組では、先週はもっぱら、「なぜPCR検査を必要な人が受けられないのか」が大問題でした。「必要な人」というのは、高熱が何日も続いて、かかりつけ医も新型コロナか否かを確認したいといった状況の人です。そのような人でも、保健所だかなんだかが許可をくれずに検査が受けられないというのです。
○ 未だに、渡航歴・濃厚接触歴がないと受けさせてくれない(ことがある)。
○ 保健所の担当者は受けさせたいのに、その上の機関(上司?)から許可が出ない。
○ 厚労大臣は検査能力3800件/日と言っているが、実態はその半分以下しか実行されていないらしい。

ネットではいろんな意見があります。それも専門家らしき人からの。
新型肺炎「日本は感染症と公衆衛生のリテラシーを高めよう」免疫学の大家がPCR論争に苦言
木村正人 2/28(金) 13:33

新型コロナで「情報汚染」されたメディアが報じない「5つの真実」
松村 むつみ 2020.02.29
『もともと新型コロナウイルス感染に対するPCR検査は感度(感染している人の中で陽性の結果が出る確率)が高くはなく、30~70%程度といわれている。』
『現在の仕組みでは陽性がわかると入院しなければならないため、医療現場の混乱が予想される。』

新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解
2020年2月24日 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
『風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。』

この1週間ほど、私は風邪の症状が出て右往左往していました。
私がまだ若い頃、風邪の症状が出ても、医者に行ったりせず、自己治癒力でそのうち快癒するのを待っていました。
しかし、還暦を過ぎた頃からでしょうか、一度風邪の症状になると、自己治癒力では直らず、喉の痛みがずっと継続するようになりました。そんな場合、かかりつけ医に行って薬をもらうと、不思議と快方に向かい、そのうちに風邪が治ります。
すなわち、最近の私は、風邪の症状が出たらお医者様に行って診てもらう、がパターンになっています。

今回は、喉が痛いのから始まって、38℃を超える熱まで出てしまいました。このコロナの時期に何ということでしょうか。その日(月曜)は3連休の3日目、診療所は休診です。何とか熱はその日のうちに下がりました。熱が下がったことから、インフルではなさそうだ、新型コロナではなさそうだ、と自己診断しました。
翌火曜は診療所の休診日です。平熱まで下がりましたが喉は痛いままです。念のため、職場には出かけず、在宅勤務に変更しました。
水曜日、熱はありません。喉はまだ痛いです。通常通り出勤し、夕方早めに切り上げ、医者へ行きました。「ただの風邪」との診断で、対症療法の薬を処方してもらいました。それ以降は喉の痛みも快方に向かい、1週間後の現在は治った感じです。

さて、私の症状は、コロナの疑いが全くない、ということはできません。しかし、日本でのコロナの発症率から考えたら、私が新型コロナである確率は「万に一つ」といったところでしょう。熱があれば出勤はしませんが、それでも「完全隔離」からはほど遠い生活です。家の中や家の周りをうろうろする生活でした。これがもし新型コロナだったら、家族を初めとして人に感染させていたでしょう。
この場合、PCR検査を受けていたらどうでしょう。
陽性だった場合、軽症ですから入院はせず、自宅で、それも完全隔離で、じっとしているでしょう。
陰性だった場合、偽陰性の可能性もあるので安心はできませんが、普段の風邪の場合と同じような生活になるでしょう。

以上のように考えると、軽症の風邪のような症状の場合、万一新型コロナであってスプレッダーとなる危険が潜んでいる中、PCR検査を受けていれば、陽性と診断されて(入院せず)自宅で完全隔離することにより、大量感染の防止に寄与することができるでしょう。

さて、専門家の意見
『現在の仕組みでは陽性がわかると入院しなければならないため、医療現場の混乱が予想される。』
そもそもその仕組みがナンセンスです。「軽症で陽性」の場合、治療方法はなく、自己治癒を待つしかないのですから、入院などせず、自宅で完全隔離してじっとしていればいいではないですか。
どうも、専門家といえども、「現状のしくみ」に拘束され、臨機応変の対応ができない人が多いですね。

『もともと新型コロナウイルス感染に対するPCR検査は感度(感染している人の中で陽性の結果が出る確率)が高くはなく、30~70%程度といわれている。』
検査ですから、そのようなことは当然にあり得ます。
しかし、厚生労働省はそのような現状を全く知らされてなかったのでしょうか。
ダイヤモンド・プリンセス号では、検査で陰性だった乗客を、公共交通機関で帰宅させています。「検査で陰性だから罹患していないことは明らか」との信念がないとできない対応です。ダイヤモンド・プリンセス号のように、高い罹患率が予測される母集団に対する態度としてはあり得ません。本当にびっくりしてしまいます。
一方、私のような場合、罹患している確率はまさに「万が一」です。その万が一の陽性が、30~70%程度の確度で明らかになるのであれば、周囲へのウイルス拡散を防止する効果は十分にあります。

『風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。』
「罹患か非罹患か不明な場合」ですよね。
発熱、それも高熱だったら、インフルの懸念があるので出勤は控えるでしょう。軽い風邪や微熱だったら、出勤はしないまでも、家の中や家の周りをうろつくことはするでしょう。「医者に行かない」ということはありません。対症療法でも薬をもらわないと、苦しさが続きますから。
ですから、『風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。』程度の広報で、「軽い風邪の症状の人が、自発的に自宅に完全隔離し、医者へも行かずに隔離生活を送る」行動を期待しているのだとしたら、それは空振りに終わるでしょう。

やはり、
『風邪や発熱などの軽い症状が出て、医者に行った場合、医者の判断でPCR検査を行う。結果が出るまで自宅待機してもらう。結果が陽性だったら、自宅で完全隔離生活に入り、家族にも感染させない努力を行う。』
が正しい方策であるように思います。

それにしても、PCR検査能力はどうなっているのでしょうか。
厚労大臣は「3800件/日」と言いましたが、これは最大能率で稼働した場合の話で、試料が五月雨式にしか到着しなかったらずっと少ないようです。
首相は「保険適用」と述べましたが、保険適用になると処理能力が増えるのかどうか、処理の依頼ルートがどのように変わるのか変わらないのか、さっぱりわかりません。
民間検査会社を使って処理能力を増大することが可能なのか否かもわかりません。
こんなにも情報が滞っている国は、日本以外にはないのではないでしょうか。
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