大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2021年11月12日 | 植物

<3586> 奈良県のレッドデータブックの花たち(135) サクラスミレ(桜菫)                   スミレ科

                      

[学名] Viola hirtipes

[奈良県のカテゴリー]  絶滅危惧種

[特徴] 明るい落葉樹林の林床や日当たりのよい山地や高原の草地に生えるスミレの仲間の多年草で、地上茎を有しないタイプのスミレで、草丈は15センチほど。葉は三角状長卵形で、両面とも明るい緑色をし、立ち上がる傾向のものが多い。

 花期は4月下旬~6月で、花が直径2.5ンチほどと他種より大きく、サクラスミレの(桜菫)の名は花弁の先がサクラの花弁のようにやや窪むものが多いことに因むと言われる。花の色は淡紅紫色から紅紫色で、側弁の基部に白い毛が密生し、花の奥が見えず、蜜を貯える花の後の距が細長い特徴がある。

この花の大きさと美しさにより「スミレの女王」と呼ばれている。なお、アカネスミレによく似るが、アカネスミレは全体に毛が多く、サクラスミレでは葉や茎にほとんど毛がない違いがある。

[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では東アジアの冷温帯域。

[県内分布] 桜井市、曽爾村、御杖村、天川村。

[記事] ほぼ全国的に分布し、分布の中心は中部地方以北とされる。西日本では「高所に点在する程度」(いがりまさし著『日本のスミレ』)とされ、大和地方でも標高500~1000メートル付近の草地に散見されるが、近年、生育に適した草地が少なくなり、減少傾向にあると言われる。  写真は山焼きの跡に咲くサクラスミレ。

   美しいというのも醜いというのも それは人間の感覚に基づくところの評価である