<3580> 奈良県のレッドデータブックの花たち(132) サイハイラン(采配蘭) ラン科
[学名] Cremastra appendiculata var.variabilis
[奈良県のカテゴリー] 希少種
[特徴] 山地のやや湿った木陰に生える常緑の多年草で、地下に多肉質の卵円形の偽球形を連ねる。葉は長さが15~35センチの長楕円形で、地上に1~2個つく。冬も枯れないので生える場所がよくわかる。花期は5~6月で、高さが30~50センチの直立する花茎の上部に多数の花が総状につく。花は細長く、淡緑褐色で紅紫色を帯び、横向きから次第に下向きに咲く。この花がつく花茎の姿から采配を連想し、この名が生まれたという。
[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島南部、南千島、サハリン、中国、台湾、ヒマラヤ地方。
[県内分布] 奈良市、桜井市、宇陀市、御所市、吉野町、明日香村、高取町、川上村。
[記事] サイハイランは長期栽培や移植が難しい植物として知られる。大きい葉の持主であるが、この葉の光合成だけでは栄養補給に及べず、菌類の助けを必要とし、土壌の適否が難しいからと言われる。近年、里山の荒廃により激減したという。なお、偽球形は采配蘭の生薬名で知られ、煎じて服用すれば、胃腸薬となり、この粉末はひびやあかぎれに効くという。 写真はサイハイランの花。
地球生命はどんな片隅の一片の生きものも
大宇宙―銀河系―太陽領―地球という
壮大且つ微細な関係性において
偶然か必然か それは知るよしもなく
不可思議な申し子として存在している
その申し子たちは この宇宙の関係性における
環境の変動というシチュエーションの中で
それに影響されながら その生を展開している