大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

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2021年11月06日 | 植物

<3580> 奈良県のレッドデータブックの花たち(132) サイハイラン(采配蘭)                   ラン科

                       

[学名]  Cremastra appendiculata var.variabilis

[奈良県のカテゴリー]  希少種

[特徴] 山地のやや湿った木陰に生える常緑の多年草で、地下に多肉質の卵円形の偽球形を連ねる。葉は長さが15~35センチの長楕円形で、地上に1~2個つく。冬も枯れないので生える場所がよくわかる。花期は5~6月で、高さが30~50センチの直立する花茎の上部に多数の花が総状につく。花は細長く、淡緑褐色で紅紫色を帯び、横向きから次第に下向きに咲く。この花がつく花茎の姿から采配を連想し、この名が生まれたという。

[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島南部、南千島、サハリン、中国、台湾、ヒマラヤ地方。

[県内分布] 奈良市、桜井市、宇陀市、御所市、吉野町、明日香村、高取町、川上村。

[記事] サイハイランは長期栽培や移植が難しい植物として知られる。大きい葉の持主であるが、この葉の光合成だけでは栄養補給に及べず、菌類の助けを必要とし、土壌の適否が難しいからと言われる。近年、里山の荒廃により激減したという。なお、偽球形は采配蘭の生薬名で知られ、煎じて服用すれば、胃腸薬となり、この粉末はひびやあかぎれに効くという。 写真はサイハイランの花。

      地球生命はどんな片隅の一片の生きものも

      大宇宙―銀河系―太陽領―地球という

            壮大且つ微細な関係性において

            偶然か必然か それは知るよしもなく

    不可思議な申し子として存在している

    その申し子たちは この宇宙の関係性における

    環境の変動というシチュエーションの中で

            それに影響されながら その生を展開している