<1406> 霧
水墨の 墨の濃淡 思はしめ 霧が生み出す 山の端の影
霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ)。これらの言葉は大気の気象現象をいうもので、国語辞典によると、霧は「細かい水滴が地面、水面近くに集まって煙のようにかかる現象」とあり、靄は「大気中に低く立ちこめた薄い霧や煙霧。また、かすみ」とある。霞は「たなびいて山のふもとなどに白くぼうっとかかるうすい雲のようなもの。細かい水滴が集まりただよって出来る」という。
言わば、これらの言葉は大気中の細かい水滴によって生じる自然現象で、濃淡、または、出来る場所によって使いわけられているようである。これに煙(けむり)があるわけであるが、煙は「物が焼けるときに出る気体」という。また、スモッグという言葉があるが、これは「大都会などで工場や冬の暖房から出す煙が、空に立ちこめ雲・霧のようになったもの。煙霧」という。
で、霧は大気中の細かい水滴の状態が濃いものを言い、靄や霞より視界を閉ざすということが言えるようである。夏よりも寒暖の差が大きい秋や冬場によく見られるのはその差によって水滴が出来やすくなるからである。写真は朝日が射し、霧に影を引いた山の木々(奈良県の野迫川村で)。
貴写真は、今日見てきた文華美術館の中国絵にも表していない美しさが有ります。
山と森林と水が有るからできる神さびの写真と思いました。
こんな風景を見られるチャンスは稀有。