<3730> 奈良県のレッドデータブックの花たち(198) ニセツクシアザミ(偽筑紫薊) キク科
[学名] Cirsium pseudosuffultum
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種、注目種(旧絶滅寸前種、環境省:絶滅危惧ⅠB類)
[特徴] 日当たりのよい山岳の林縁などに生えるアザミの仲間の多年草で、大きいもので高さ1.5メートルほどになり、茎の下部に長さが50センチほどの楕円形の葉をつけ、しばしば群落をつくる。葉は深裂し、鋭い刺を有する。花期は9~10月で、紅紫色から淡紅紫色の頭花を点頭気味につける。花の基部の総苞は筒状鐘形で、蜘蛛毛がある。総苞片は多数が長く伸び出し、反り返る。
[分布] 日本の固有種で、紀伊半島の大台ヶ原と四国の山岳。
[県内分布] 上北山村の西大台、大台ヶ原ドライブウエイ沿い。
[記事] 本種は平成18年(2006年)、四国で発見された新種のアザミで、九州の山地に分布しているツクシアザミに似るところからこの名が生まれたという。この発見の発表によって、それ以前に大台ヶ原の西大台で同じアザミが見つかっていたことに気づいた。それで、現在は四国の山岳と奈良県の大台ヶ原のみに分布を限る日本の固有種として知られるようになった。
大台ヶ原ドライブウエイの標高1500メートル付近で見られ、一時シカの食害により減少が見られ、奈良県では絶滅寸前種としてレッドリストにあげたが、シカの駆除等によるからか、最近、個体数が増え、群落も見られるようになり、危険度のランク下げが行われ、絶滅危惧種に変更された。なお、大台ヶ原のニセツクシアザミは自生の北東限として注目種、また、奈良県の特定希少野生動植物に指定されている。 写真は群落をなして花を咲かせるニセツクシアザミ(左)と花のアップ。
動物でも
植物でも
大小にかかわらず
生物は
如何なる生物も
みな すべて
何らかの
拠りどころを得て
生きている
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