大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2015年12月22日 | 写詩・写歌・写俳

<1454> 冬 至

         木の影が長さを競ひゐる冬至

 二十二日は冬至。大和地方は晴天に恵まれ暖かな冬至となった。いつものように馬見丘陵公園へ歩きに行き、冬至ということで、冬至のスケッチを試みながら歩いた。最近、日によって寒暖の差が大きいように思われるが、地球温暖化の言われるところ、気温の推移を見ると暖冬基調であるのがうかがえる。今日は暖かく、歩いていても全く寒さを感じなかった。

                                                

  木の影がもの言ひたげな冬至かな

 冬至は、北半球において太陽が最も南側に低く運行する日で、昼が一番短く、夜が一番長い日である。これは地球が傾いた状態で太陽の周りを廻っているからで、冬至は地球が傾いているその分、太陽との角度と距離に差が生じ、日照時間が最短になる日である。この日を境に日脚は徐々に伸び、三月の春分の日に昼夜の長さが同じになり、六月の夏至において冬至とは反対に北半球では昼が一番長く、夜が一番短い状態になる。

  木の影を辿りて歩く冬至かな

 件の池ではカモの数が増えてにぎやかだった。今日はカワウの姿も数羽見られた。陽光の反射によって明るく輝く池面を背にしてコガモが三々五々泳ぐ姿を見せ、これが小春の一景になって、のどかさが感じられた。

    鴨小鴨日差し明るき冬至かな

  園内は相変わらず歩いている人が目につく。中には夫婦で歩いている姿も見ることが出来る。歩くは健康によい。歩けなくなったら介護の域。どうにかして元気でいたいとは思う。歩いている人にはそのための精進であるとも思える。ときには携帯ラジオを聞きながら歩く人もいる。

                                     

  寄り添へば影も寄り添ふ冬日かな

 それにしても、明日からは日脚が徐々に伸びてゆく。寒さは厳しくなるものの春へは一歩一歩。確かな足取りに先が望める。こと重げくいろいろな問題や課題のあるのが世の常であるが、我が身を保ってみな粛々と行くべくあることを願うばかりではある。

  冬至とは 明日より日脚 伸びゆく日

 

 


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