大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2013年09月27日 | 写詩・写歌・写俳

<755> 大和寸景 「神仏の座」

        偏頗なく日差しは地上へ真っ直ぐに 予断をもって語るべからず

 大台ヶ原へ山歩きに出かけた。駐車場から大蛇に向かい、大蛇から尾鷲辻まで引き返し、そこから正木ヶ原経由で日出ヶ岳方面に歩き、日出ヶ岳には登らず、分岐から下山コースを辿り、駐車場に帰った。この写真は帰りに大台ヶ原ドライブウエイから大峰山脈に向けて撮影したものである。

 午前中、快晴のよい天気だったが、午後になって雲が多くなり、三時ごろには厚い雲になって午前中よく見えていた大峰山脈の稜線も見えなくなるほどになった。ときおり雲間から日が射し、このような気象状況の写真が撮れたのであった。

                        

 大台ヶ原から西を望むと大峰山脈が横一列に見える。南から辿ると大日山、釈迦ヶ岳、孔雀岳、仏生ヶ岳、明星ヶ岳、八経ヶ岳、弥山、行者還岳、七曜岳、国見岳、大普賢岳といった具合に連なっている。これらの山の名でもわかるように、大峰山脈は大峯奥駈道が通る修験道の祈りの道の行場で知られ、ユネスコの世界遺産にも登録されている神仏の座としての風格がある。

 山歩きのときは、この大峰の山々がその姿をよく見せていたのであるが、ドライブウエイの途中まで下ったときには写真のような状況になった。天は、よく晴れ上がっても、雲に被われても、雄大な山の風景とともに神々しさがあって胸に迫って来るものがある。ましてや、写真のように日差しが見える現象は神仏の気配を感じさせる。遍く照らす日の光は偏頗なく注ぎ、私たちはその恩恵に与かっているという次第である。

 

 

 

 

 


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