大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2021年06月28日 | 植物

<3450> 奈良県のレッドデータブックの花たち(71) カリガネソウ(雁草)     シソ科(旧クマツヅラ科)

               

[別名] ホカケソウ(帆掛草)

[学名] Tripora divaricata

[奈良県のカテゴリー]  希少種(旧指定なし)

[特徴] 日当たりがあり、ほどよい湿気がある山地の林縁や川筋に生える多年草で、4角形の茎は上部で分枝し、高さが1メートルほどになり、群生することもある。葉は長さが8~13センチの広卵形で、先が尖り、縁には鋸歯が見られ、長い柄を有し、対生する。

 花期は8~9月で、葉腋から長い柄の集散花序を出し、青紫色の花がまばらにつき、順次開花する。花冠は長さが1センチ前後の筒形で、先が大きく5裂し、裂片の下側の1個が反曲して開く。雄しべも雌しべも筒部から長く伸び出し、先が湾曲して下向きになる。この花の形をカリの羽ばたく姿に見立て、この名がつけられたという。

[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国。

[県内分布] 北端の春日山周辺から生駒山、金剛山地、宇陀山地、吉野山地、南端の十津川村の北山川の岸辺まで広く見られる。

[記事] 独特の臭気があり、シカは食べないようであるが、山道の整備や河川の改修工事などにより減少し、レッドデータブックのリスト入りした。花が風変わりで可愛らしいことから臭気の難点はあるものの観賞用の園芸種も見られる。 写真は林縁で群生する花期のカリガネソウ(右)、しべが長く湾曲して花冠の外に伸び出す花(中)、花粉の運び屋のセセリチョウが訪れた花(右・セセリチョウの重力によって花が傾き、しべの先がチョウの翅に触れるようになっている)。

   何ものにも 誰においても

       長所があり 短所がある

   短所ばかりでは こまるし

   長所ばかりも つまらない

   長短あって バランスされ

   生の世界は 展開している


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