大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2013年11月17日 | 写詩・写歌・写俳

<806> 大和寸景 「穫り入れ」

       すすき立ち 秋深かまれる 棚田かな

 十七日の日曜日、明日香村稲渕の棚田で、棚田のオーナー会員と地元農家の人たちによる脱穀、籾摺りの作業が行なわれ、にぎわった。これは、平成七年(一九九五年)に、少子高齢化によって、耕作放棄が進み、棚田が荒れて景観を失い、地元の疲弊にも繋がるという地区の危機感から、他地域(殊に都市部の人たち)の協力を得て、棚田での耕作を維持し、棚田を守って行こうという呼びかけで始められた棚田オーナー制度によるものである。

 現在はNPO法人「明日香の未来を創る会」が進行役を務め、地元の地主農家二十戸ほどと提携し、オーナー会員を募り、八十人ほどが参加、田畑約二百区画が利用され、棚田の環境保全だけでなく、地元の活性化、土に触れることによる子供たちへの教育、他地域との交流によって絆を深めるなどを目指しているようである。

 このオーナー制度による棚田の稲作は、春の籾蒔き、梅雨時の田植え、盛夏のころの田草取り、そして、秋の稲刈りと順を追って作業が行なわれ、今日はその一環である脱穀と籾摺りを農家の人たちとオーナー会員たちが手分けして行なったもので、参加したオーナー会員らには収穫した玄米が配られた。

                                                  

  今日は好天に恵まれ、百人ほどが朝から現地に集合して、農家が用意した機械で脱穀と籾摺りを行ない、稲藁は棚田の原風景を守るため、すすき(わらぐろ)にして田んぼに残した。十一月二十四日は収穫祭を行なうという。写真は左から、脱穀、籾摺り、すすき作り、オーナー会員と農家の人が一緒に摂る昼食の風景(いずれも、明日香村稲渕で)。


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