<3389>奈良県のレッドデータブックの花たち(44)オオヒキヨモギ(大引蓬) ハマウツボ科
[学名] Siphonostegia laeta
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種(環境省:絶滅危惧Ⅱ類)
[特徴] 日当たりのよい草地や山足の崖地など少し乾燥気味のところに生える半寄生の1年草で、キク科のヨモギに似た切れ込みのある葉をつけるが、ヨモギの仲間ではない。この名があるのはヨモギの根に寄生することによる。葉によって光合成を行なうが、十分ではなく、寄生して養分を補う。花期は8~9月で、長い筒状の萼をともなう灰黄色の唇形花をつける。花の上唇が赤褐色を帯びるものも見られる。また、下唇が左右相称のヒキヨモギに対し、本種では下唇の一方が変形して相称にならない違いがある。また、筒状の長い萼に濃緑色の隆起した肋があるのも本種の特徴。
[分布] 本州の関東地方以西と四国。国外では中国。
[県内分布] 山間地域を除き、産地は点在するものの個体数が少ない。
[記事] オオヒキヨモギの花にはじめて出会ったのは平群の里の山足だった。最初は何の花かわからなかった。野生の花にはこのような花がいくつもあって、出会いの都度、図鑑を引いて覚えた。なお、仲間のヒキヨモギは利尿、黄疸に効く薬用植物として知られる。 写真は平群の里の個体(左)と十津川村の個体(右)。
生の多様なることは
植物に負うところ
植物を蔑ろにすることは
生の多様性を
否定するに等しい
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