<3388> 写俳百句 (52) ツボスミレ
つぼすみれ控へ目な花庭の隅
新緑の候。ツツジとカキツバタを目的に天理市の長岳寺に出かけ、その後、近くの山の辺の道を歩いた。ツツジもカキツバタも少し早い感じだったが、よく知られるオオデマリは花盛りだった。本堂に立ち寄り、本堂正面の池の周りを歩くと、スミレの中では花期の遅いニョイスミレのツボスミレが片隅の祠の周辺に見られ、白い控え目な花を咲かせていた。
ツボスミレは華やかな表舞台のツツジやカキツバタとその姿を異にする境内地の隅っこの花で、気づかない参拝者も多いと思うが、自然を取り込んだこの時期の野生の花としてその存在が思われたことではあった。で、今回はこのツボスミレに登場を願った。 写真は境内の片隅に咲くニョイスミレのツボスミレ(天理市の長岳寺)。
因みに、『万葉集』の二首に登場のツボスミレ(都保須美礼)はこのニョイスミレのツボスミレではなく、淡紫色の花を咲かせるタチツボスミレ(立坪菫)であると植物学者の牧野富太郎は言っている。
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