大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2012年01月13日 | 写詩・写歌・写俳

<133> 厳 寒 期
       結氷の 寸前にして 底見ゆる
  周辺を山に囲まれた大和には盆地特有の地形により棚田が多く、また、その棚田を潤すために大小の溜池が各地に見られるのも特徴的な風景で、厳寒期の今ごろの時期になると、小さい山陰の池などでは氷が張るのを見ることが出来る。
  昔は冷え込みが厳しく、分厚い氷が池の全面に張って、子供のころはその上でよく遊んだものである。 最近は子供が乗れるような分厚い氷の張った池などには出会わないが、薄く張る池や沼は見かける。ここに掲げた写真はその一つである。

                   
  氷というのは不思議なもので、出来る寸前よりも出来てしまったときの方が寒さを感じないもので、これは雪にも言える。雪が降り積もったときよりも雨と雪の中間である霙の降るようなときの方が底冷えしたりして寒さを感じる。で、氷の張る水面にしても、氷が張ってしまった水面よりも、氷が張る寸前の水面の方に何か寒さ冷たさを感じるということで、私の感覚ではそのように思える。
  このような結氷寸前の池畔などでサギなどが立っていると、これこそ典型的な冬の一景で、身も心も縮こまる光景だということが出来る。で、冒頭の句も生まれることになった。水は冷たさゆえにより透きとおる。当然のことながら結氷すると底は見えなくなる。

 


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