大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2018年02月03日 | 写詩・写歌・写俳

<2227> 余聞、余話 「節分」

      恵方巻き食べて恵方の方位知る

 旧暦の昔は、概ね二月四日の立春が一年の始まりで、今の元旦に当たり、元旦の前日、即ち、一年の最後の日である大晦日に当たるのが節分の日で、今日二月三日は節分の日ということになる。大晦日には、これまでの悪弊を断ち切って新年を迎えたいという気持ちによって年越し蕎麦を食べ、穢れを祓う除夜の鐘を撞いて新しい年を迎える。

          

  旧暦では、新しい年を迎えるに際し、一年の悪弊を追いやる鬼追いの追儺式が行なわれ、歳神さまである歳徳神を迎えるため、歳徳神が回座している恵方(吉方)を大切にし、近年になってこの方位に向かって太巻き寿司である恵方巻きを頬張るのが慣わしになって、今に至っている次第である。今年の恵方は丙(ひのえ)の方角、つまり、南南東に歳徳神が回座しているので、その方位に向かって恵方巻きを食べるのがよいとされ、黙して食べるのがよいという。バレンタインデ―のチョコレートと同じように、最近では、節分の恵方巻きも商戦に乗っかって華々しく、さまざまな恵方巻きが売り出され、店頭を賑わせているといった具合である。迷信でも何でもよいということで、我が家でも恵方巻きに与かった。

  一方、除夜の鐘に等しい追儺の鬼追いの「鬼は外、福は内」の豆撒きは各地の寺社で行なわれ、一般家庭でも行なわれる。今年も法隆寺西円堂の追儺式の鬼追いの火祭りに出かけてみた。法要のあと、午後七時半ごろから始まり、黒、青、赤の三匹の鬼が松明を投げつけるなどして暴れ回ったが、最後に毘沙門天が登場して鬼たちを追い払って終わった。 写真は我が家の恵方巻きと法隆寺西円堂の鬼追い。 松明を振りかざす赤鬼(左)と鬼に振り回される松明の炎(右)。 では、今一句。  節分や鬼の哀れも思ふべし

 


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