<3310> 奈良県のレッドデータブックの花たち (15) イヌセンブリ (犬千振) リンドウ科
[学名] Swertia tosaensis
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種 (環境省:絶滅危惧Ⅱ類)
[特徴] 日当たりのよい湿った草地や棚田の畦などに生えるセンブリの仲間の1年草または越年草で、茎は直立して分枝し、高さ5~3センチになる。葉は長さが2~5センチの倒披針形で、縁には鋸歯がなく、対生する。花期は10~11月で、茎頂や上部葉腋に花序を出し、直径1.5センチほどの白色に紫色の条がある花をつける。花冠は5裂し、裂片の先は尖る。花冠の基部には長く白い毛が密生し、蜜腺がある。
[分布] 本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国。
[県内分布] 南部には見られず、北部域に見られる。
[記事] 写真は11月13日に宇陀市の棚田の畦で撮影したもので、周辺にはリンドウの花も見られた。本種の減少要因について、奈良県のレッドデータブックは「棚田の耕作放棄や自生地の管理放棄による植生の遷移・自生地の開発・除草剤散布などが考えられる」という。なお、イヌセンブリ(犬千振)の名は、センブリに比べ苦味がなく、薬用に供しない役に立たない代物として、犬侍のように劣る意のイヌ(犬)が冠せられた。
自然の花は
自然の中で
自然に囲まれ
自然とともに
自然を負って
自然に咲く
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