<3311>奈良県のレッドデータブックの花たち (16)イヌノフグリ (犬陰嚢) オオバコ科(旧ゴマハグサ科)
[別名] イヌフグリ
[学名] Veronica polita
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種 (環境省:絶滅危惧Ⅱ類・旧希少種)
[特徴] 道端の草地や石垣などに生える越年草または2年草で、茎が下部で分枝し、横に広がり斜上して、高さが10センチほどになる。葉は長さが2センチ弱の卵円形で、やや厚みがあり、縁には4~8個の大きい鋸歯がある。葉は短い柄を有し、茎の下部では対生し、上部では互生する。茎や葉には毛が多い。花期は3~4月。上部の葉腋から長さが1センチ弱の柄を出し、淡紅白色に紅紫色の条がある小さな1花をつける。実は蒴果で、長さ3ミリほど、やや膨らみ、2個の球をくっつけた形になり、短い毛に被われ、イヌの陰嚢を思わせるのでこの名がある。
[分布] 本州の中部地方以西、四国、九州、沖縄。国外では東アジア一帯。
[県内分布] 北、中部一帯と川上村、十津川村。
[記事] 一昔前は道端で普通に見られたようであるが、外来種のオオイヌノフグリやタチイヌノフグリが繁茂するに従って激減し、今では石垣の隅に追いやられた姿に陥って、レッドリストにその名を連ねている。種子をアリが運ぶことで知られ、石垣に守られ、辛うじて生き延びているように見える。その石垣も最近ではコンクリートで固められ、イヌノフグリには種を維持する環境事情が極めて厳しくなっているのがうかがえる。かわいらしい花を見ているといじらしく思えてくるところがある。 写真は花期のイヌノフグリ。池の石垣で。背景は水面。
花は何処の花も
いつ時の花も
懸命に咲いている
何かに呼びかけ
訴えるように
懸命に咲いている
そんな存在である
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