<1735> 余聞・余話 「木本植物の分類 (3)」 ( 勉強ノートより )
今回は木本植物の葉の形状による分類を見てみたいと思う。この場合、葉がひらたい広葉樹と針状の針葉樹に分けられる。温帯から熱帯にかけては圧倒的に広葉樹が多く、冷温帯から寒帯にかけては針葉樹が目立つ。これは光合成を行なう葉の働きと気侯の条件に関わると見られる。
広葉樹(闊葉樹) ―――幅の広い葉を持つ樹木で、大小さまざまであるが、概して材が硬い硬材が特質としてある。(2)の項であげた分類と組み合わせると、落葉広葉樹と常緑広葉樹にわけられる。例えば、落葉広葉樹にはキリ、コナラ、ネムノキ、ミズキ、アサガラ、ホオノキ、ガマズミ等々。常緑広葉樹にはシイ類、カシ類、ツバキ、アセビ等々があげられ、概して極相林を形成する原始林に見られる樹木である。
針葉樹―――針状の葉を有する樹木で、大小さまざまにあるが、概して材が柔らかい軟材が特質としてある。こちらも落葉針葉樹と常緑針葉樹にわけられる。例えば、落葉針葉樹にはカラマツ、イヌカラマツ等がある。常緑針葉樹にはスギの仲間やマツの仲間をあげることが出来る。
因みに、ナギやイチョウは広葉樹に思われるが、特殊な針葉樹であり、ヒノキやイブキは鱗片葉を有するが、これらも針葉樹である。ツガザクラは針状の葉であるが、広葉樹である。 写真は左から落葉広葉樹のキリ(花のとき・御所市で)、コジイ(ツブラジイ)とカナメモチの群集で知られる常緑広葉樹が優占する奈良市の春日山原始林の極相林(花のとき・国の特別天然記念物)、落葉針葉樹のカラマツ(黄葉のとき・大台ヶ原ドライブウエイで)、常緑針葉樹のスギ(雪のシーズン・吉野地方で)。
それぞれにあるもの生の幅広さ奥深さみな生きゐるところ