大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2016年09月28日 | 植物

<1734> 余聞・余話 「木本植物の分類 (2)」 ( 勉強ノートより )

 木本植物の分類の仕方には樹高や樹幹の形状によるほかに葉の存続期間による分類や葉の形による分類の仕方がある。この項では、葉の存続期間による分類の仕方を見てみたいと思う。樹木の葉というのはどんな樹木においても古い葉が必ず枯死して脱落し、新しい葉と入れ替わる。この入れ替わりの状況によって樹木の種別が行なわれる分類の仕方がある。

  その一つはすべての葉が1年以内に枯死し、脱落するある時期に緑色の葉が全くなくなる落葉性のものと、個々の葉には寿命があるけれども枯死する葉に代わって新しい葉が同時か落葉前に展開し、常に緑色の葉が存在し絶えない常緑性のものがある。また、すべての葉でなく、落葉する中にあって一部の葉は枯死せず残り常緑を保つ両性のものもある。

                

 前者の落葉性の樹木は落葉樹と呼ばれ、後者の常緑性の樹木は常緑樹と呼ばれる。両方の性質をもって葉の展開を見せるものは半落葉樹と言われる。葉が枯死して落ちるということは樹木自身が休眠状態になるということで、四季の国日本においては、夏に繁り、冬に葉を落とす場合がほとんどで、こうした樹木は夏緑樹と言われ、気候条件が雨季と乾季にあるところでは、乾季に葉を落とす場合がほとんどで、これに当たる樹木は雨緑樹と呼ばれる。

 落葉樹―――温帯に属する四季の国日本には多く見られ、四季によって樹木の姿が異なり、落葉樹林では風景の変化が顕著に現れる特徴がある。秋の紅(黄)葉や春の新緑もその一例で、例えば、ヤマザクラ、ブナ、ケヤキ、カキノキ、クヌギ、ミズナラ、リョウブ、ハギ、クロモジ、モミジ・カエデ類等々をあげることが出来る。

 常緑樹―――熱帯や寒帯、つまり、暖地性や寒地性の樹木に多く見られ、四季がはっきりしない地域に顕著に現れる特徴がある。四季の国日本で見えれば、ヤブツバキ、ツブラジイ、クロマツ、スギ、ヒノキ、ユズリハ、ヒサカキ、モッコク、モチノキ、クスノキ、ツガザクラ等々がある。

 半落葉樹―――落葉樹の中に含まれるが、常緑の葉が一部に見られるもので、例えば、アケビ、ノイバラ、フジイバラ、ヤマツツジ、モチツツジ、スイカズラ等々があげられる。写真は左から落葉樹のヤマザクラ(花のとき)とコハウチワカエデ(新緑のとき)、常緑樹のクスノキ(花と新緑のとき)とヒノキ(果実のとき)、半落葉樹のノイバラ(花のとき)とヤマツツジ(花のとき)。

       生(せい)の身は勤めることを求めらる 果してそれはすべてに及び