<871> 大 寒
大寒や 明けの明星 冴えて見ゆ
昨日は大寒だった。一年の間で一番寒い時期に入った。朝方はよく冷え込んで、大和の天空は冴え渡って見えた。青垣の東の山並の上空に明けの明星の金星が明るく輝いていた。遠い昔にも見たような感慨を得てカメラを向けた。青垣の山々はシルエットになって、大和平野はまだ眠りから覚めていない。そんな感じの時間帯で、東の空は赤色から青色までグラデーションが美しく、その透明な青空の中にただ一星。一等星の金星が輝いていた。
空の感じはかぎろひ現象の一端と言ってもよかろうかと思う。宵の明星に比べると、こちらの方が冴えて見えるのは、夕方よりも朝方の大気の方が澄んでいるからだろう。金星は水星に次いで太陽から二番目に近い惑星で、三番目に近い地球から見れば、内惑星で、内惑星の特徴として、金星は朝方と夕方にしか見ることが出来ないわけである。写真は明けの明星。シルエットの山並は竜王山付近。二十日午前六時二十分ごろ撮影。