大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2012年10月29日 | 写詩・写歌・写俳

<423> 2012・紅葉 (大台ケ原)

        紅葉を 迎へし山の 暖かさ

 紅葉(黄葉)は北の高い山に始まり、徐々に移って、南の低地に終わる。この紅葉前線は、南に始まる春の桜前線とは逆で、三ヶ月ほどかけて南下する。これは四季を有する冷・温帯域の落葉樹に発するもの。樹種によって違いが見られ、紅くなる葉もあれば黄色になる葉もあって千差万別、その彩りは樹種の数だけあると言ってよく、みごとである。

                            

  このため、紅葉(黄葉)の時期になると自然林に被われる冷・温帯域の山では多くの落葉樹がそれぞれに彩りを見せるので、山肌が一変し、それは自然が織りなす錦の美しさである。その彩りは大半が紅系統と黄系統の色で占められ、この二つの色は暖色であるので、山は紅葉(黄葉)の時期になるとはなやぎを見せるとともに暖かさを感じさせるものとなる。

 日本列島の東部で言えば、北海道の大雪山辺りに点された紅葉(黄葉)が蔵王山辺りに移り、名所の日光を経て、平地に至る。これを近畿圏に当てはめて言えば、北アルプスの立山辺りに点された紅葉(黄葉)が加賀の白山や兵庫県の氷ノ山辺りに移り、それが低山に移って、低地の各地に及ぶということになる。

                                               

 これを大和に見れば、まず、標高の高い紀伊山地の大台ケ原山や大峰山脈の尾根筋に点る。これが例年十月の初旬から中旬のころで、そこから日を追うように麓に向って移り行き、平地では十一月の下旬から十二月の上旬のころ見ごろになる。

 という次第で、今日は大台ヶ原へその紅葉(黄葉)を見に出かけた。日出ヶ岳から正木ヶ原を回って大蛇まで往復した。山頂付近の紅葉(黄葉)はほぼ終わっていたが、大台ヶ原ドライブウエイの全域でみごとな紅葉(黄葉)が見られた。大蛇嵓からの紅葉(黄葉)もよかったが、風が強く、人出も多かったので、十分には撮影出来なかった。

  ドライブウエイから眺める紅葉(黄葉)は今週いっぱいが見ごろではないかと思われる。晴天で光線状態のよい午前中が撮影にはよいように思われる。ドライブウエイからはこれからの時期雲海の見られる日もある。写真はともにドライブウエイからの撮影。上段の写真に見える道路は大台ヶ原ドライブウエイ。